ユルゲン・クロップ監督とはスポーティング・ディレクターとして一緒に働き、チャンピオンズリーグ、UEFAスーパーカップ、クラブワールドカップ、そして30年ぶりの国内リーグ優勝など、7つの主要タイトルを獲得したチームの補強において、目覚ましい実績を残したマイケル・エドワーズ。
2022年夏に退団するまで、合計10年以上リバプールで働き、ドイツ人指揮官の招集やエジプト代表FWモハメド・サラーらの獲得に尽力。その後は、レッズで元リサーチの責任者を務めたイアン・グラハムが設立したデータコンサルタント会社ルドノーティクスの非常勤取締役に就任していた。
エドワーズが離れて以来、リバプールにおけるスポーティング・ディレクターは毎年変更を強いられてきた。さらに、この夏にはクロップ監督もチームを離れ、転換期を迎えるクラブは、有能な人材の復帰を画策し、フェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)は粘り強い交渉を続けた。
そして、FSGは遂にエドワーズの復帰を発表。フットボール部門のCEOに就任し、リバプールでの新獲得探しや補強部門の管轄に加えて、新たなクラブ買収や投資などを通じて、ボストン拠点のオーナーグループにおけるサッカー部門の成長に幅広い責任を持つことになった。
チェルシーからもスポーティング・ディレクターとしてオファーが届いていたとも言われ、リバプールからも同様のポジションでのオファーには首を縦に振らなかった同氏だが、今回の発表に際して、改めてFSGとともに仕事をするに至った背景を語った。
「復帰するのであれば、新たな活力とエネルギーが必要不可欠だった。実際のところ、これは新しい挑戦と機会を持つことを意味する。そのため、私が決断した最大の要因のひとつは、新たなクラブを買収して統括し、組織におけるこの分野を成長させるという責任感だ。競争力を維持するためには、現在のサッカー・ポートフォリオの投資と拡大が必要だと考えている。」
「リバプールFCでは、フットボール運営に不可欠なリーダー的ポジションが早急に必要であるため、求められる人材獲得を管理することになる。私は個人的な経験から、マイク・ゴードンが同僚のオーナーに代わって日々の統括を行い、素晴らしい仕事をしてきたことを知っている。今後は、FSGの経営陣と一緒に仕事をすることを楽しみにしている。」
「また、この役割を引き受けるにあたって、大きな期待が伴うことを十分に理解している。従って、クラブの価値観と野心を満たし、それを体現するリーダーを見極め、雇用し、その後に力を与えるつもりだ。」
今後は、ジョン・W・ヘンリー・オーナー、トム・ヴェルナー、マイク・ゴードンが率いるFSGのオーナーグループに所属するエドワーズは、レッズのみならず、広義の意味でのサッカーの発展に寄与していくことになる。
とはいえ、リバプールの運営にも携わる。新たにスポーティング・ディレクターに就任予定のリチャード・ヒューズとともに、新たな時代に向かうクラブを発展させ続け、毎シーズンのように優勝争いに食い込めるだろうか…