フランス人監督、ジェラール・ウリエがリバプールを率いていた1999年の夏、リバプールはフィンランド代表DFサミ・ヒーピアやスイス代表DFステファヌ・アンショズら守備陣を強化したが、さらなる補強を狙っていた。
そのターゲットは、当時インテル・ミラノでプレーしていた元フランス代表DFミカエル・シルヴェストル。左サイドバックやセンターバックとしてプレーできるディフェンダーで、2015年にチェンナイインFCを最後のクラブとして現役を引退した。
フランス代表では通算40試合に出場した現在47歳の同氏は、1999年に起こった移籍劇を振り返った。リバプールからオファー提示があったが魅力的ではなく、その後に争奪戦に加わったマンチェスター・ユナイテッド移籍を即決したと明かした。
「マンチェスター・ユナイテッドに移籍した1999年当時、マスコミは僕がリバプールと契約しようとしているという話で持ちきりだった。」
「でも信じてくれ、僕はそんなに間近じゃなかったんだ！」
「リバプールのジェラール・ウリエから正式オファーを受けたのは事実だが、その時点では魅力的なオファーではなかった。」
「インテルでは、ロナウド、ロベルト・バッジョ、W杯優勝のユリ・ジョルカエフ、ディエゴ・シメオネ、若きアンドレア・ピルロらとプレーしていて、特別なクラブだった。だから、リバプールがやってきても、飛び跳ねて喜んだりはしなかったよ。」
「数日後、サー・アレックス・ファーガソンから電話がかかってきたとき、迷いはなかった。」
「サー・アレックスは私にとっては別格だった。」
「私は、前シーズンのチャンピオンズリーグ準々決勝で、インテルとともにオールド・トラッフォードに来た経験もある。あの夜は、 “うわぁ、これは格別だ” と思ったのを覚えている。あの雰囲気は興奮したよ。」
「サン・シーロでの復帰戦に出場し、その後、ユナイテッドを追ってバイエルン・ミュンヘンとのクレイジーな決勝戦に臨んだ。大会で優勝したチームとの対戦で負けると、なぜか飲み込みやすくなるんだ。」
「だから、サー・アレックスがあの素晴らしいチームに加わるチャンスをくれたとき、躊躇はまったくなかった。」
「それから物事は本当に早く進んだ。木曜日の午後に到着して、監督と夕食をとり、翌朝メディカルチェックを受け、契約書にサインしてトレーニングに行き、金曜日の午後にチームと一緒に土曜日の11時半のキックオフに向けて移動した。」
「運命のいたずらで、最初の試合はアンフィールドでのリバプール戦だったんだ！」
Liverpool Echo