ユルゲン・クロップ監督の後を引き継ぎ、リバプールの指揮官に就任したアルネ・スロット監督。フォーメーションを変更し、守備にも安定感をもたらしたオランダ人指揮官は、プレミアリーグ開幕から良い結果を残している。
まだまだ序盤戦のため、楽観視できないが、攻撃と守備ともにバランスが良く、良くも悪くも無駄な失点は減った。クリーンシーンも爆増しており、評価を高める同監督だが、サイモン・ヒューズ氏(英ジャーナリスト)が、その姿をラファ・ベニテス元リバプール監督の面影と重ねた。
「彼はラファエル・ベニテスの全盛期を彷彿とさせる。どんなサッカーをするかということではなく、彼の準備の良さ、冷静さ、そして決断力ね。私が聞いたところでは、ベニテスと違うのは(これはいいことだと思うが)、選手たちが彼と一緒にいると、自分の立ち位置がよくわかるような気がするということだ。」
The Athletic
前任のようにスタジアム全体を巻き込むようなパフォーマンスやパッションを出すわけではなく、どちらかと言えば、淡々と仕事をこなす姿はスペイン人指揮官にも似たものを感じる。しかし、放送を通しても、少なくとも熱量は上回っていそうだ。
タッチラインでもクロップほどの大きなリアクションこそないが、チームを鼓舞するところは、粛々とメモを取るベニテスとは異なっている部分だろう。
プレミアリーグでこそそこまで成績が芳しくなかったが、チャンピオンズリーグ決勝に2度も導いた実績はいまでも歴史に残っており、イスタンブールの奇跡を起こした名監督。ハーフタイムでの決断には、結果論でしかないがアッパレだった。
実績面でスペイン人指揮官に並べるかは、これからの手腕次第。はたして、スロット監督は成績でも大きな成功を収めつつも、サポーターからも愛される存在になれるだろうか…?