ユルゲン・クロップ監督とともに、プレミアリーグやチャンピオンズリーグなど数々のタイトルを得てきたブラジル代表GKアリソン・ベッカー。卓越したシュートストップに加えて、ペナルティエリア外への飛び出し、パス出し、足元の技術など現代的なGKを象徴するようなゴールキーパーだ。
今シーズンからはアルネ・スロット監督が就任したが、守護神の座を譲らず、最終ラインに安定感をもたらしている。アンフィールドでの出場数は250を超え、すでにレジェンド級の存在の同選手は、クロップ政権と現在のチームを比較せずに、オランダ人指揮官のもとで新たな歴史を刻まなければならないと語った。
「何人かの選手はまだチームでプレーしているが、今は少し違うスタイルになっている。」
「ボールポゼッションが増えた。以前は本当にプレーが真っすぐだった。トランジションが多く、インテンシティーが高かった。」
「あのチームは本当に特別だったし、偉大なことを成し遂げた。このクラブにとって久しぶりのプレミアリーグのタイトルも勝ち取った。その前のシーズンには、チャンピオンズリーグもみんなで達成した。どちらの状況も比較にならないと思う。」
「僕が本当に嬉しいのは、このメンバーで戦えることだ。僕らには特別なことを成し遂げるだけのクオリティーがあるし、最も重要なのは、何かを勝ち取るために必要なコミットメントがそこにあること、そして情熱と欲望だ。」
「僕らはハングリーで、目の前にあるすべての試合に勝ちたい。今はそれだけに集中している。」
「過去のチームと比べる必要はないと信じている。自分たちの歴史を作らなければならない。今シーズン、このチームは独自の歴史を築かなければならない。」
「加入してきた選手たちは多くのクオリティーをもたらしたし、自分たちがやっていること、自分たちにできることで、このクラブの歴史に残るような、本当に特別だった過去のことを消し去るつもりはない。」
The Times
ユルゲン・クロップ監督はやや安定感に欠けるも、スタジアムを熱狂させるようなプレーぶりが特徴的だった。ゲーゲンプレスからのシュートカウンター、超攻撃的な両サイドバックなど時代を作り、マンチェスター・シティと壮絶な優勝争いを数年間も繰り広げた。
スロット監督はフォーメーションを少しいじり、ポゼッションを重視するサッカーを嗜好。高速カウンターは引き継ぎつつも、ディフェンスに安定感をもたらした。全体的に安定感のあるサッカーを手にし、プレミアリーグ開幕から好調を維持する。
名将の後釜という難しい立場にも関わらず、ここまで優れた手腕を発揮する。このままの調子、オランダ人指揮官はアンフィールドの歴史に名を刻めるだろうか…?