2005年5月25日、イスタンブールで開催されたチャンピオンズリーグ決勝。ラファ・ベニテス監督率いるリバプールは前半で3失点するなど散々な試合内容だったが、カルロ・アンチェロッティ監督率いるACミラン相手に戦い方を変え、後半にわずか6分間で同点に追いつく。
PK戦までもつれた試合は、最終的にリバプールが優勝を成し遂げた。この試合で先発するも、前半23分に負傷交代してしまった元オーストラリア代表FWハリー・キューウェル。リーズ・ユナイテッドで世界でも屈指の攻撃的な選手として頭角を現すと、アンフィールドでは負傷に悩まされながらも印象的なゴールを記録することもあった。
引退後は、クローリー・タウンやノッツ・カウンティなどイングランドで監督を歴任し、横浜F・マリノスでもチームを率いたが、いずれも成功はしていない。監督としては目立った成績を残せていないものの、チームをまとめる立場にいたこともある元リバプールFWは、アルネ・スロット監督の手腕を評価しつつも、運も良かったと語った。
「ファンタスティックだ。これ以上のチャンスは望めないと思う。」
「アーセナルがひどい目にあったこと、・シティがひどい目にあったこと、チェルシーが上位に食い込んでいないこと、そして誰も彼らに挑戦していないことは、ある意味救いである。」
「とはいえ、シーズン序盤の彼はファンタスティックだった。」
「しかし、リバプールのシーズン開幕時のプレーを見る限り、彼らはまさに今の位置にいるにふさわしいと思う。」
Sky Sports News
プレミアリーグ初挑戦のオランダ人指揮官は、今シーズン開幕から好調を維持。先制されても、後半に逆転する試合も多く、勝負強さを示した。後半戦に入って、主力組の疲労感が目立つ中、ゴール数が伸びない、失点も増えつつあり、来季に向けての改善点が明確になってきた。
チャンピオンズリーグではホーム&アウェイの2試合で、パリ・サンジェルマン相手に圧倒されるなどヨーロッパの大会で勝ち進むためにも、新たなチーム作りにも舵を切る。この夏の移籍市場において、忙しい時期を過ごすことが予想される。
はたして、スロット監督は今季の好調ぶりを継続し、来シーズン以降もタイトル争いに加わり、名将としての地位を確立できるのだろうか…?