昨シーズンの途中、ブラックバーン・ローヴァーズからクリスタル・パレスに移籍した21歳MFアダム・ウォートンは、半年間の在籍で好パフォーマンスを披露。一気にイングランド代表まで駆け上がり、EURO2024のメンバーにも選出された。
出番こそなかったものの、国際舞台をベンチから体感し、今シーズンはさらなる飛躍が期待された。ところが、鼠径部の手術を受けたこともあって、ここまで17試合の出場に留まっている。最近は前線復帰し、ふたたびレギュラーに戻り始めた。
守備的ミッドフィルダーとして評価を高め続けており、左足から繰り出されるパスやフィードは正確。中盤の底から攻撃の組み立てに参加しながらも、粘り強い守備対応で相手の攻撃を食い止める役割も担う。
海外メディア『Football Insider』によれば、リバプールやマンチェスター・シティ、レアル・マドリードの強豪クラブが21歳ミッドフィルダーの能力に注目しているものの、クリスタル・パレスはオファーが届いても首を縦に振らない方針を固めているようだ。
最低でも来シーズンはロンドンに留めたく、中盤の主力を手放したくはない。また、マルク・グエイやジャン=フィリップ・マテタ、エベレチ・エゼら攻守のキーマンにも退団の噂が燻っており、チームを率いるオリヴァー・グラスナー監督は頭を悩ませる夏になりそうだ。
昨年の夏には、いまやフランス代表のマイケル・オリーセもバイエルン・ミュンヘンに売却しており、近年の主力組の引き留めには全力を傾けているが、チームの順位も半分以下で、チャンピオンズリーグはおろか、ヨーロッパリーグに挑戦することも難しく、高みを目指す選手たちを留めておくのは困難なタスクになり得る。
アルネ・スロット監督は中盤の底からボールを持ち運び、パス出しにも優れる選手を置くことを好み、オランダ代表MFライアン・フラーフェンベルフのポジション変更を実施。日本代表MF遠藤航も途中投入から目覚ましい活躍を見せているが、先発の座を掴むに至っておらず、新たなミッドフィルダーに熱視線を向けているのは明らか。
プレースタイルで言えば、オランダ人指揮官の嗜好するサッカーを展開するには適した人材であるウォートンだが、まだまだトップリーグでの経験不足は否めない。
はたして、21歳のイングランド人ミッドフィルダーは来季以降も現在のクラブでプレーするのか、もしくはステップアップを決断するのだろうか…?
