シュトゥットガルトから加入した日本代表MF遠藤航は、ユルゲン・クロップ政権でも、アルネ・スロット政権でもシーズンの始まりは苦労を強いられた。ドイツ人指揮官の時代には、プレミアリーグやチームの戦術に慣れる時間が必要で、半年もすると、守備的MFとしてチームに欠かせない選手に変貌した。
移籍当初はその能力に疑いを投げかけていたサポーターたちを味方につけた32歳のミッドフィルダーだが、オランダ人指揮官が率いるチームでは先発出場は限られている。ただし、試合終了間際に投入されると、役割を理解し、適切なポジショニングで試合を終了まで持っていく。
プレー時間こそ少ないものの、その貴重さはチーム内外で理解されている。オランダ代表MFライアン・フラーフェンベルフに疲れが目立った時期には、数多くのサポーターがなぜ日本代表のキャプテンを先発起用しないのか疑問が投げかけられていた。
出場機会が伸びていない現状もあり、今シーズンをもってアンフィールド退団も噂されているが、クラブでキャプテンマークを巻くオランダ代表DFフィルジル・ファンダイクはリーダーシップを評価しており、今後も数年間はチームに留まってくれることを希望していると口にした。
「ワタはピッチ内外で非常に重要な存在だ。」
「昨年よりプレーが少し減ったが、彼が出場すれば、ゲームを終わらせ、持っている経験をもたらすことができる。」
「しかし、ピッチの外でも、彼はリーダーのひとりであり、彼がいてくれて本当に良かった。」
「キャプテンである僕が言うのもなんだが、チームを支え、助けてくれるリーダーが必要であり、ワタは間違いなくそのひとりだ。」
「彼にはとっても満足しているし、少なくともあと数年は彼がいてくれることを願っている。」
Liverpool Echo
ほとんど先発出場がないため、不平不満を漏らしても惜しくはない状況が続く。それでも、自らの役割を全うする姿は監督からの信頼が厚く、主力選手からの信頼もまた高い。
代表でキャプテンを任される選手も多いリバプールにおいて、クラブと代表の両方で主将を務めるファンダイクから素直な評価は日本人にとっても嬉しいもので、ピッチで見れる機会は少ないかもしれないが、継続してアンフィールドでの活躍を期待したい。
はたして、日本含めたアジアツアーも待ち受ける遠藤航だが、まさかの決断を下す未来はあるのだろうか…?
