2シーズンに渡って、副キャプテンとしてリバプールを牽引してきたトレント・アレクサンダー=アーノルドが、ついにアンフィールドに別れを告げる。20年間在籍したクラブを離れることが正式に発表され、彼の新天地として濃厚視されているのがスペインの名門レアル・マドリードだ。
契約満了により今夏フリーエージェントとなるアレクサンダー=アーノルドだが、正式な契約開始は7月1日以降。ところが、レアル・マドリードは6月中の早期合流を強く求めており、その背景にはFIFAクラブワールドカップの存在がある。
同大会は6月14日にアメリカで開幕し、レアル・マドリードはアレクサンダー=アーノルドの起用を視野に入れている。そのため、リバプール側に対し6月中の “無償” 放出という極めて異例な要望を突きつけたと、英『The Telegraph』が伝えた。
当初、スペイン王者は6月分の給与相当額として85〜100万ポンドの補償金を支払う意向があったと報じられていたが、実際の正式なアプローチはリバプール側の予想を大きく裏切る内容となった。
契約期間は6月30日まで。つまり、その日まではアレクサンダー=アーノルドの選手登録権はリバプールにある。法的にも倫理的にも、レアル・マドリードのこの要求は常識外れであり、リバプール側としては理解不能であり、受け入れる理由は何もない。
一部報道によれば、アレクサンダー=アーノルド自身は早期移籍を実現させるために6月分の給与放棄も辞さない構えを見せているという。だが、それでも最終的な決定権はリバプールにある。
もしもリバプールが条件は何にせよ早期退団を受け入れない場合、クラブワールドカップのグループステージ(アル・ヒラル戦、パチューカ戦、RBザルツブルク戦)には出場できない。理論上、彼が出場可能となるのはノックアウトステージから。7月1日以降の準々決勝からの参加となる。
アレクサンダー=アーノルドのレアル・マドリード移籍はもはや既定路線だが、加入する日については今後も両クラブ間で話し合いが行われる。見返りのない要求を飲む必要性のリバプールは強気な姿勢で交渉に臨むべきで、お金を持っているクラブからの不躾な提案は無視すべきだろう。
