2022年にベンフィカから加入し、大きな期待を背負ってアンフィールドの地を踏んだダルウィン・ヌニェス。だが、そのパフォーマンスは安定を欠き、特に今季はアルネ・スロット監督の下で信頼を掴みきれず、プレミアリーグでの先発はわずか8試合にとどまっている。
ゴール数も加入初年度や2シーズン目から減少しており、オランダ人指揮官が求めるプレーが出来ていない。この夏の移籍市場において、マージーサイドを離れる筆頭で、サウジアラビアやアトレティコ・マドリード行きが取り沙汰されている。
今年1月にはサウジアラビア移籍の話も浮上したが最終的に破談。とはいえ、ベンフィカ時代に輝きを放った実力者に対して、ヨーロッパや中東のクラブが引き続き関心を寄せているのは間違いない。仮に売却が実現すれば、クラブはまとまった移籍金を得ることができるだろう。
海外メディア『CaughtOffside』によれば、リバプールはヌニェスの後釜として前線を引っ張れる選手を探しており、現在注目しているのがマルセイユでプレーする元マンチェスター・ユナイテッドFWメイソン・グリーンウッドのようだ。
ヘタフェでのレンタル移籍でキャリアを取り戻し、今シーズンはマルセイユで34試合19ゴール5アシストを挙げている。右ウイングのみならず、センターフォワードやセカンドトップなど複数のポジションでプレーでき、ロベルト・デ・ゼルビ監督率いるチームの攻撃を牽引する。
ただし、グリーンウッドの獲得には大きなリスクも伴う。2022年に暴行やレイプ未遂容疑で逮捕され、ユナイテッドからのサスペンション処分を受けた過去がある。後に証拠不十分で訴追は取り下げられたが、クラブは復帰を認めず、彼はその後ヘタフェを経てマルセイユへ完全移籍していた。
マルセイユとの契約には、ユナイテッドが将来の売却益50%を受け取る条項が含まれており、クラブ側は現在の市場価値を考慮しつつも、7000万ユーロ程度での売却に前向きとも報じられている。
仮にリバプールがこの金額でオファーを出す場合、莫大な投資に加え、ファンやメディアからの強烈なリアクションも避けられない。クラブがこれまでの哲学を超えてでも手を出すべき選手か、その是非は大いに議論を呼びそうだ。
プレミアリーグでの復帰は難しそうな印象も拭えないが、選手としての能力は本物。モハメド・サラーの長期的な後継者にもなり得る23歳のウィンガーは、リバプールの幹部陣からも高い評価を受けているという。今夏の補強プランの中で、グリーンウッドは有力な選択肢のひとつとして浮上しているようだ。
ヌニェス放出が現実味を帯びる中で、グリーンウッドの獲得が実現すれば、クラブにとっては大きな賭けとなる。一方で、そのリスクを承知の上で才能に賭けるという判断も、十分にあり得るものの、現実的には実現は不可能と言わざるを得ない。
今夏の移籍市場におけるリバプールの動きは、クラブの未来を大きく左右するターニングポイントとなるだろう…
