今夏の移籍市場において、リバプールの補強戦略が再び中盤へと舵を切ろうとしている。アルネ・スロット新監督の下で再構築が進む中盤に、ドイツから新たな逸材が浮上してきた。フライブルクに所属する21歳のミッドフィールダー、マーリン・ロールだ。
ドイツU-21代表としてUEFA U-21欧州選手権に出場中のロールは、攻守両面において完成度の高いプレーで注目を集めている。プレッシング耐性に優れ、インテリジェンスとフィジカルを兼ね備える彼の存在は、リバプールだけでなく、エバートンやニューカッスル、クリスタル・パレスといったクラブも獲得を狙っている。
昨季は怪我に悩まされた時期もあったが、クラブと代表での安定感あるパフォーマンスは評価を落とすことなく維持されている。
ロールは6番から8番、そして10番に至るまで、様々なポジションで高いレベルのプレーを披露できる。現代サッカーに求められる柔軟性を備えており、スロット監督が志向する高インテンシティなシステムにぴったりと合致する。中盤の底でボールを刈り取り、前線にボールを供給する姿は、今のリバプールに必要なピースであることは間違いない。
移籍情報に定評のあるドイツ紙『Sport Bild』によれば、リバプールのレーダーにロールの名前が上がっており、すでに接触が始まっているとの報道もある。これに対して最大のライバルと見られるのが、マージーサイドの宿敵エバートンだ。すでに2度にわたってオファーを行ったとされ、さらなるオファーを準備中とも報じられている。
ロールは2024年9月にフライブルクとの契約を延長しており、クラブ側は移籍金に対して強い立場を取っている。フライブルクは、ケヴィン・シャーデをブレントフォードに売却した際に得た2500万ユーロ前後の金額を想定していると見られており、リバプールがこのレースに勝利するためには、迅速かつ明確なアクションが求められる。
リバプールはこの夏すでに、ギオルギ・ママルダシュヴィリ、ジェレミー・フリンポン、フロリアン・ヴィルツ、ミロシュ・ケルケズ、そしてフレディ・ウッドマンらと契約を結んでおり、着実に陣容の整備を進めている。
中盤の構成においては、ドミニク・ソボスライ、アレクシス・マック・アリスター、ライアン・フラーフェンベルフといった既存戦力が支えてきたが、昨季終盤には疲労の色も見え始めていた。
だからこそ、マーリン・ロールのような多才な若手を加えることは、中盤のローテーションに深みを与えるだけでなく、長期的な視野でも意味のある一手となる。スロット体制の第一歩として、彼の加入は新監督にとっても心強い補強となるはずだ。
はたして、リバプールは地元のライバルとの争奪戦を制し、ドイツの若きタレントをチームに迎え入れることになるのだろうか…？