昨夏の移籍市場において、ユベントスからリバプールに加入した元イタリア代表FWフェデリコ・キエーザはもがき苦しんでいる。昨シーズンはコンディション不調が長らく続き、1年を通してたったの466分間しかプレーしなかった。
ライバルが多いことも影響しているものの、ピッチで明確に活躍した記憶を辿るのが難しいほどにプレーしている姿を見なかった。プレシーズンではセンターフォワードとして起用されていたものの、軽い負傷によってアジアツアーを欠場し、イングランドに残っている。
このメンバー選考は、キエーザの退団を示唆するもので、移籍市場に詳しいファブリツィオ・ロマーノ氏(イタリア人ジャーナリスト)もこの夏での退団の可能性が高いことを伝えており、母国イタリアから具体的な動きが早速見られている。
イタリア紙『Sportitalia』によると、昨季セリエAで3位でシーズンを終えたアタランタが、1200万の移籍金を準備し、キエーザの母国復帰を狙っているようだ。なお、高額な給与を受け取る同選手だが、リバプールが大半の給与負担をするとも伝えている。
アタランタは前線の入れ替わりの時期を迎えている。昨季得点王、イタリア代表FWマテオ・レテギが大型契約とともにサウジアラビアに旅立ってしまった。ナイジェリア代表FWアデモラ・ルックマンもイタリア国内外問わず、強豪クラブが関心を示しており、今夏での退団は避けられない。
主力が抜けていく中、セリエAでは実績十分な27歳のウィンガーは理想的なターゲットになる。アンフィールドではイングランド独特のインテンシティや慣れないポジションなど複合的な要素で活躍できず、積極的な補強を敢行し、モハメド・サラーとも2年契約に合意したリバプールに残留してもピッチに立つ機会が限定的なのは目に見えている。
かつての輝きを取り戻すため、またサッカー選手として毎週のようにプレーすることを目標に、母国復帰はキエーザ本人にとっても願ってもないチャンス。
なお、元ユベントスFWはアタランタに加入する場合、3年契約を結ぶ見込みで、ルックマンの直接的な後任として期待されている。
はたして、リバプールでも戦力外気味になりつつあるキエーザだが、わずか1年でイタリアに蜻蛉返りするのだろうか…?
