オランダ代表MFライアン・フラーフェンベルフの覚醒によって、いまやアンフィールドで忘れられた存在となっているスペイン代表MFマルティン・スビメンディだが、昨夏の移籍マーケットにおいては、リバプール行きが近づいていた。
クラブ間合意にも達し、小さい頃から育ったレアル・ソシエダを離れるかに思われたが、26歳の守備的ミッドフィルダーは土壇場で地元に留まることを表明。1年前の出来事を振り返ったスビメンディは、適切なタイミングではなかったと明かした。
「まず答えなければならなかったのは、ソシエダに残留したいかどうかだった。昨夏は(移籍の)適切なタイミングではなかった。」
「ソシエダは自分にとってまだ成長のステップであり、僕がチームに与えられるものも重要だと感じた。だから、残留が最善の選択だったんだ。」
Sky Sports
当時はタイミングだけではなく、地元クラブへの愛着を語っていたスペイン代表ミッドフィルダーは、たった1年でアーセナル移籍を決断した。
1シーズン遅れでプレミアリーグ上陸を果たした元ソシエダMFは、同クラブを率いるミケル・アルテタ監督の存在を力説し、同じくソシエダでもプレー経験を持つ指導者のもとでプレーしたかったと、決め手を語った。
「監督が僕の何を見てくれたのかは分からない。でも、僕が彼に見たのは、彼がヨーロッパ屈指のトップコーチであるということだ。」
「移籍を決意した時、質の高い監督の下でプレーしたかった。彼が試合にどれだけ執着し、細部にこだわるかを見てきたから、僕は正しい人を見つけられたと思っている。」
「これは自分にとっての変化だ。そして、自分が望んでいた変化でもある。ここに来た初日からこのクラブの偉大さに気づいたし、今は順応している最中だよ。」
Sky Sports
今回の移籍劇を見る限りは、リバプールやアルネ・スロット監督に魅力を感じずに、愛着やタイミングという体裁の良い言葉で濁しただけに思われても仕方がない。そして、拒否したクラブはプレミアリーグで優勝を成し遂げた。
近年は優勝争いを繰り広げるも、トロフィーを掲げられていないアーセナルにおいて、マルティン・スビメンディはタイトルに導く活躍を見せられるのか、もしくはアルテタ監督のお家芸とも言えるタイトルなしでまたシーズンを終えてしまうのか…
