昨年の夏、チェルシーからリオ・ングモハを獲得したリバプールは新たなタレントをチームに迎え入れる。その名は17歳のストライカー、サルフォード・シティFWウィル・ライト。最大40万ポンドという投資額は決して巨額ではないが、トップクラブが狙っていた逸材を手に入れたのは大きな成果と言える。
ロンドンでのメディカルチェックを無事完了したライトは、長期契約でアンフィールドの一員となる。この獲得劇で最も印象的なのは、アーセナルがクラブ間合意まで漕ぎ着けながら、個人条件で躓いた隙をリバプールが移籍を成立させた。
ガナーズにとっては痛恨の取りこぼしとなったが、ライト本人がアンフィールド行きを強く望んでいたことを考えれば、必然的な結果だったのかもしれない。
リヴァプールのリクルート戦略は近年、明確な方向性を示している。2023年のトレイ・ナイオニ、2024年のリオ・ングモハに続くライトの獲得は、高い潜在能力を持つ国内選手をトップチームに引き上げる道筋とともに確保するという一貫したアプローチの表れと言える。
ライトの場合、17歳にして既にサルフォード・シティで4試合のトップチーム出場を経験している。今年1月のFAカップ、マンチェスター・シティ戦でのシニアデビューは、彼の早熟ぶりを物語る象徴的な出来事だった。
アルネ・スロット監督にとって2度目のプレシーズンは、最近も多くの話題で彩られている。ヒューゴ・エキティケの加入、アレクサンデル・イサクを巡る移籍報道、そしてルイス・ディアスの退団。さらにジョー・ゴメスのアキレス腱不調による離脱、アリソン・ベッカーの個人的事情によるキャンプ離脱など、チーム状況は流動的だ。
しかし、こうした慌ただしい状況の中でのライト獲得は、クラブの長期的ビジョンを示す重要なメッセージでもある。
40万ポンドという移籍金は現代サッカーにおいて高額ではないが、その内訳に含まれる達成しやすいアドオン条項は、クラブがライトの成長に確信を持っている証拠だろう。短期間で追加支払いが発生する可能性が高いということは、それだけ早期の戦力化を見込んでいることを意味する。
若き点取り屋のウィル・ライトという名前が、やがてアンフィールドで歌われる日もそう遠くはないかもしれない。