リバプールが描く壮大な補強構想が、ついに現実味を帯びてきた。アルネ・スロット監督体制の最優先ターゲットであるアレクサンデル・イサク獲得に向けて、1億5000万ポンドという史上最高額に及ぶかもしれない移籍の準備が着々と進んでいる。
その成否を握るのは、ニューカッスルによるベンヤミン・シェシュコ獲得の成否。何度かオファーを拒否されている同クラブだが、新たな総額9000万ユーロものオファーを提示し、22歳の若きスロベニア代表ストライカーとの契約を狙い続けている。
マンチェスター・ユナイテッドも争奪戦に残っており、まだまだ余談を許さない。しかし、リバプールにとってはニューカッスルが今回の移籍を成立させることができれば、スウェーデン代表ストライカーのアンフィールド行きが近づくことになる。
英『talkSPORT』によると、もしもニューカッスルがシェシュコをチームに迎え入れられれば、泣く泣くながらもエースストライカーをリバプールに売却する見通しのようだ。
スロット監督が構想する高度なポジショナルプレーにおいて、イサクは最後にピースになるかもしれない。昨季ニューカッスルで21ゴール4アシストという数字以上に、彼のリンクアップ能力とドリブル技術は、ウーゴ・エキティケとフロリアン・ヴィルツという新戦力との化学反応に大きな期待を抱かせる。
特に注目すべきは、イサクがボックス内でのフィニッシュ力とボックス外でのビルドアップ能力を高次元で両立させている点。109試合62ゴールという驚異的な数字は、プレミアリーグという最高峰の舞台での実績として申し分ない。
マイケル・オーウェンが「現在世界にトップクラスのセンターフォワードはそれほど多くない」と評価するように、イサクのような完成度の高いストライカーは希少な存在。25歳という年齢も、即戦力としての期待と将来性への投資を両立させる理想的なバランスを提供している。
財政面でも、リバプールは周到な準備を整えている。ダルウィン・ヌニェスのアル・ヒラル移籍が近づいており、ルイス・ディアスの移籍金に加えて、新たな予算を手にする。他にも、タイラー・モートンをリヨンへの売却がほぼ内定し、追加予算を確保している。
他にもフェデリコ・キエーザやハーヴェイ・エリオットらも売却される可能性を残しており、十分な余力を残している。イサクに留まらず、新たなセンターバックにも注目しており、さらなる補強が進みそうだ。
今後24時間以内にシェシュコの決断が下されると予想される中、リバプール史上最大規模の移籍劇がいよいよ本格始動する。ニューカッスルが設定する1億5000万ポンドという評価額も、シェシュコ獲得による心理的余裕から多少の柔軟性を見せる可能性が高い。
スロット監督の戦術的野望とクラブの長期戦略が交差するこの夏最大の注目移籍劇が、いかなる結末を迎えるのか…?
