ストーク・シティ戦でのハットトリック、アスレティック・ビルバオ戦での1得点。プレシーズンツアーでまさに水を得た魚のような輝きを見せるダルウィン・ヌニェスにも関わらず、移籍話が加速している。英『DaveOCKOP』の独占情報によると、ACミランが今週にもウルグアイ代表ストライカーに正式なオファーを提示する準備を整えているようだ。
ヌニェスの3年に及ぶリバプール生活は、まさに波乱万丈だった。2022年夏にベンフィカから約8000万ポンドという巨額で加入した際の期待値は天井知らずだったが、蓋を開けてみれば一進一退の日々が続いた。昨シーズンはプレミアリーグで30試合に出場したものの、先発はわずか8回。5ゴールという数字は、彼の持つポテンシャルからすれば物足りないものだった。
それでも、たまに見せる彼のクラッチプレーは、データには現れない価値を持っていた。加えて、前線から猛烈にボールを追う姿勢もサポーターから愛される一方、決定力不足で叩かれることも多かった。
アルネ・スロット監督のもとでは、嗜好するプレースタイルに合わずに出番は減少。バイエルン・ミュンヘンに移籍したルイス・ディアスには本職でないにも関わらず、ポジションを奪われることもしばしば。
アンフィールドで出番に苦しむウルグアイ代表ストライカーは、一時ナポリ行きが近づいていた。しかし、リバプールの要求する金額にマッチせずに、獲得レースから撤退を余儀なくされた。
セリエA行きにも前向きだった同選手だが、イタリア行きの可能性が再浮上。ACミランはヌニェス獲得に向けて、買い取り義務を付随したローン移籍で契約を取りまとめたい方針。これは決して珍しい手法ではないが、ミランの場合は純粋に財政的な制約から生まれた苦肉の策とも言える。
昨シーズンのセリエA8位という不振な成績により、チャンピオンズリーグの収益を逸したミランの台所事情は厳しい。リバプールが設定している6500万から7000万ユーロという移籍金を一括で支払う余裕はなく、分割払いに近い形での獲得を模索している。
新監督にマッシミリアーノ・アッレグリを招聘し、ルカ・モドリッチを獲得するなど、ミランは確実に戦力強化を図ってきた。しかし、攻撃陣の補強という最重要課題を解決するためには、創意工夫が必要不可欠だった。ヌニェスへのアプローチは、唯一の獲得策と言える。
一方で、サウジ・プロリーグの強豪アル・ヒラルも水面下で動いている。彼らであれば資金面での制約は少なく、リバプールの要求額を満たす可能性は高い。ミランにとっては手強すぎるライバルであり、金銭的な勝負では勝ち目がない。
今週にも予定されているACミランからの正式オファーは、この移籍劇の重要な分岐点となる。ローン移籍という形式をリバプールが受け入れるかどうか、そしてアル・ヒラルからのより魅力的な提案が飛び出すかどうか。ヌニェスの未来は、まさに予断を許さない状況にある。
