もしアリソン・ベッカーが本当にアンフィールドを去る日が来るとすれば、それはリバプールファンにとって想像したくない悪夢のシナリオだろう。しかし、今夏の移籍市場を見渡せば、その悪夢が現実になる可能性を完全に否定することはできない。
ジョゼ・モウリーニョ率いるフェネルバフチェが、ブラジル代表守護神の獲得に向けて水面下で動いているという報道が、トルコメディア『Sabah』から聞こえてきている。
2018年夏にローマから7500万ポンドという破格の移籍金でアンフィールドにやってきたアリソンは、まさにリバプール復権の象徴的存在だった。チャンピオンズリーグ優勝、プレミアリーグ初制覇という歴史的偉業の立役者として、その名を永遠にクラブの歴史に刻んだ32歳の守護神だ。
リバプールがバレンシアからギオルギ・ママルダシュヴィリを獲得したことで、アリソンにとって本格的なライバルが登場。ジョージア代表の若き才能との熾烈なポジション争いが待っている。
25歳のママルダシュヴィリは、ラ・リーガで磨かれた技術と判断力を持つ次世代の守護神候補。アリソンの中長期的な後継者を探すリバプールだが、バレンシアとジョージア代表ともに守備的な戦いの中、ペナルティエリア内からのパス出しやペナルティエリアの外に飛び出しての守備には慣れないといけない。
さらに、プレミアリーグやイングランドでの生活にも慣れる必要がある。本格的な世代交代を見据えたチーム作りに動いているものの、最低でも今シーズンを前に放出するのはリスクが大きすぎる。
フェネルバフチェにとってアリソンの獲得が実現すれば、それがクラブ史上最大の移籍になると期待している。確かに、プレミアリーグとチャンピオンズリーグで頂点を極めたゴールキーパーの加入は、フェネルバフチェの国際的な知名度とステータスを飛躍的に向上させるはずだ。
しかし、アルネ・スロット監督もブラジル代表GKを手放すとは思えず、今回の報道は事実無根と言える。ただし、今後1年から2年のスパンではアンフィールドを離れる可能性は否定できず、その時にも獲得を狙っていた場合、トルコに足が向かうかもしれない。
はたして、シーズン開幕が迫る中、驚きの放出プランが実現することはあるのか…?
