才能あふれる若きスペイン人ミッドフィールダー、ステファン・バイチェティッチの去就が移籍市場終盤戦の大きな焦点となっている。2022-23シーズンにリバプールのファーストチームで鮮烈なデビューを果たした20歳の逸材が、今度はアンフィールドからの脱出を強く希望していることが明らかになった。 スペイン紙『Estadio Deportivo』の報道によると、バイチェティッチの優先事項は極めて明確。母国スペインへの復帰を切望する彼の意思は揺るぎなく、移籍市場が9月1日で閉幕するまでの限られた時間の中で、ラ・リーガ復帰への道筋を模索している。
ハムストリング手術からの回復過程にある20歳の守備的ミッドフィルダーにとって、この夏は人生を左右する重要な分岐点となっている。
ジローナをはじめとする複数のスペインクラブが、同選手獲得に向けて本格的な動きを見せている。バレンシア、レアル・ベティス、ラジョ・バジェカノといったラ・リーガ勢も名乗りを上げており、ポルトガルやイタリアからの関心も報じられている。完全移籍かローン移籍かの選択肢は残されているそうだ。
バイチェティッチにとって最も重要なのは、長期的なプロジェクトへの参画と定期的な出場機会の確保である。昨シーズンはザルツブルクからラス・パルマスへのローン先変更を経験し、カナリア諸島のクラブでは素晴らしいパフォーマンスを披露した。
チームの降格は免れなかったものの、個人としての成長は確実に感じられた。ラ・リーガでは14試合に出場し、スペイン復帰の手応えを掴んだ経験は彼にとって大きな財産となっている。
アルネ・スロット体制下のリバプールでは、アレクシス・マック・アリスター、ドミニク・ソボスライ、ライアン・フラーフェンベルフ、カーティス・ジョーンズ、遠藤航といった実力者たちが中盤のポジションを占めており、アンフィールドでのプレー時間確保は叶わない。
バイチェティッチのプレースタイル的にも、フィジカル的にもラ・リーガ復帰は理にかなった選択となる。技術的に優れ、パスセンスに長けており、スペインサッカーの戦術的哲学と完璧に調和する。ラス・パルマス時代に見せた創造性豊かなプレーメイクとボール奪取能力は魅力度満点。
オランダ人指揮官のもとでは、チャンスすらもらえない状況が続いており、18歳MFトレイ・ナイオニの台頭も相まって、リバプールでの将来は危うい。それでもアンフィールドにこだわるのであれば、ふたたびローン移籍で急成長を手にするしかない。
本人がイングランドにこだわらず、スペインでキャリアを取り戻すことを希望するのであれば、リバプールは喜んで完全移籍に向けた交渉を進めるだろう…
