アルネ・スロット監督の2シーズン目において、完全に構想外となってしまったギリシャ代表DFコスタス・ツィミカス。2020年の夏に加入以来、アンディ・ロバートソンの控えを務めたが、その役割を終えようとしている。
リバプールはボーンマスからハンガリー代表DFミロシュ・ケルケズを獲得し、レギュラーに据えた。これまでの先発であるロバートソンが控えに回り、ツィミカスは3番手に序列が落ちてしまい、移籍先を探している。
29歳の左サイドバックにはASローマが関心を示しているものの、ローン移籍での獲得を狙っている。一方で、リバプールは最大1000万ユーロ程度での完全移籍を希望しており、両クラブ間の狙いに違いがある。
イタリア人ジャーナリスト、ジャンルカ・ディ・マルツィオ氏によると、リバプールの姿勢にもめげず、ローマはギリシャ代表ディフェンダー獲得を狙い続けるようだ。ただし、あくまでレンタルでの移籍を画策している。
ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督にとって、レミアリーグで培った高い守備力と、意外なほど精度の高いクロス精度を併せ持つこの29歳DFは、ローマの戦術システムに完璧にフィットする可能性を秘めている。
現在のローマにとって、左サイドバックは明らかな補強ポイント。アンヘリーニョの存在はあるものの、彼一人では長いシーズンを戦い抜くには不安が残る。ガスペリーニが求めているのは、守備の安定性と攻撃への貢献度を両立できる選手であり、ツィミカスはまさにその条件を満たしている。
それでもイタリアのクラブがレンタルにこだわるのは、資金面の制約のみならず、FFP(ファイナンシャル・フェアプレー)規制への順守を目指しており、リスクを最小限に抑えるためにも、まずは1年間をレンタルでチームに迎え入れたそうだ。
移籍市場終了まで残り数日という状況で、ローマの戦略は明確。リバプールに対して一定のプレッシャーをかけつつ、最後まで諦めずに交渉の余地を探っている。粘り強く期限が迫ってくる中で、レッズの態度の軟化を狙っている。
29歳と将来的な成長を見込めにくいため、リバプールが完全移籍での退団を狙うのは当然の摂理。プレミアリーグ勢にとっては決して高くはない移籍金を巡って、イングランドとイタリアの綱引きが続いている…
