リバプールは近年、アカデミー強化に力を入れている。地元出身選手の育成に加えて、16歳前後の有望な若手選手の獲得も続いており、今シーズンのトップチームではトレイ・ナイオニやリオ・ングモハらが代表例と言える。
退団してしまった選手たちで言えば、ベン・ドークやハーヴェイ・エリオット、ジャレル・クアンサー、クィービーン・ケレハー、ニコ・ウィリアムズ、タイラー・モートンらまだまだ伸びしろしかなく、将来的にアンフィールドに戻る可能性もあるプレーヤーが目立つ。
海外メディア『The Athletic』によると、リバプールは育成や補強を加速させるためにも、大規模なアカデミー改修の計画を立てており、2000万ポンドを費やす見通しのようだ。これは、1998年の開設以来最大の変革となるとも伝えている。
オーナー企業フェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)は、近年のクラブの成功におけるアカデミーの多大な貢献を称えるものと位置付けており、室内ドームの建設や医療・スポーツ科学エリアの拡充、天然芝へ張り替えなどに着手する予定で、建設許可申請を行い、2028年の完成を目指すそうだ。
なお、今回の改修は第2弾に位置付けられている。第1段階では約200万ポンドを投じ、少人数制試合用のケージ、アスレチック開発エリア、パドボールのコート、ローマの施設を参考にしたスキルエリアなどを新設している。さらに、全アカデミーピッチで夜間利用可能となる新照明も導入された。
アルネ・スロット監督のもと、今夏には大幅にアカデミー出身選手が放出されたリバプールだが、先述の通り、ナイオニやングモハはプレシーズンで印象的なパフォーマンスを披露。
ステファン・バイチェティッチもまだ在籍し、アヤックスにローン移籍中のジェームズ・マコーネルもオランダでの活躍次第では、来季トップチームに食い込む可能性もある。
ファイナンシャル・フェアプレーやPSRなど財政面での締め付けが厳しくなるサッカー界において、アカデミー選手の育成や売却は重要な戦略のひとつとなっており、トップチームを強化するだけではない役割が求められている。
はたして、数年後のリバプールにおいて、アカデミーからレギュラー争いに参戦する選手はどれほど出てくるのだろうか…?
