アルネ・スロット監督率いるリバプールが、ユベントスの鉄壁守備を支える28歳のブラジル人センターバック、グレイソン・ブレーメルの獲得に向けて本格的な動きを見せている。
イギリスメディア『TEAMtalk』によると、リバプールとマンチェスター・ユナイテッドの両クラブがこのブラジル人ディフェンダーの獲得に強い関心を示しているようだ。この移籍話の背景には、イブラヒマ・コナテを巡る契約問題という、リバプールにとって避けて通れない現実がある。
ブレーメルがリバプールの最優先ターゲットとして浮上している理由は複数ある。まず挙げられるのが、セリエAでの圧倒的な実績だ。トリノ時代に築き上げた守備の基礎を土台に、2022年夏にユベントスへ移籍してからの成長は目を見張るものがある。
今季もレギュラーの座をガッチリと掴み取っており、イゴール・トゥドール監督の戦術システムにおいて絶対的な存在となっている。この安定感こそが、リバプールが求める理想的なセンターバック像と完全にマッチする。
コナテの契約が2026年夏に期限を迎える中、フランス人ディフェンダーは最終年に突入している。更に複雑な要素として、レアル・マドリードがコナテを来夏のフリートランスファーでの獲得を狙っているとの報道もある。この契約問題の膠着状態を受け、リバプール首脳陣はブレーメル獲得を通じて守備陣の将来設計を描こうとしている。
ブレーメルの市場価値を考える上で無視できないのが、彼の多様な戦術への適応力である。ユベントスでは3バックシステムと4バックシステムの両方で起用され、どちらにおいても高水準のパフォーマンスを発揮できる。
この戦術的な柔軟性は、スロット監督が志向する可変的なフォーメーションにも完璧に適合する要素となるだろう。センターバック陣の世代交代に加えて、強化を狙うマンチェスター・ユナイテッドも狙うのは納得できる。
ただし、リバプールが実際に動き出す可能性はほぼゼロだろう。フィルジル・ファンダイクの後継者として、また来季もしコナテが退団した場合の後釜として、この夏の移籍マーケットで獲得に近づいたクリスタル・パレスのイングランド代表DFマルク・グエイを最優先に捉えている。
また、パルマからイタリア代表DFジョヴァンニ・レオーニも加わり、万能DFジョー・ゴメスも含めて盤石の体制を整えている。強いて言えば、ゴメスは今夏ACミラン加入も噂され、レオーニはまだプレミアリーグでどこまで通用するかわからないこと。
そして、ファンダイクの年齢は見過ごせない。グエイに加えて、最低でもあと1枚はチームに迎え入れたいところだが、まもなく30歳を迎え、イングランド経験のない選手に白羽の矢を立てるとは思えない。
プレミアリーグでも通用しうる肉体と運動能力を持ち合わせるが、2029年まで契約を残しているだけに移籍金も高く付く。
現実的にあり得るとすれば、ユナイテッド行きだが… はたして?
