昨年にはバロンドール候補まで持て囃されたブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールが苦境に立たされている。シャビ・アロンソ新監督のもとでもレギュラーの座を譲っていないものの、レアル・マドリードの契約更新交渉は完全に行き詰まりを見せている。
クラブ側はヴィニシウスをエムバペと同等の給与水準に置く意図はなく、来夏までに現在の条件で契約更新に応じなければ、他を探す時期になると明言。この膠着によって生まれた隙間に、リバプール含むプレミアリーグ行きが現実味を帯びている。
現在の契約は2027年6月まで有効で、更新オファーはテーブル上に残されているものの、クラブの姿勢は断固たるものだ。今後数週間で条件の変更はないとの報道が相次いでいる。
ヴィニシウス側は当初、ボーナス込みで年間3000万ユーロを要求していたが、最近になって要求額を大幅に下げたという情報も浮上している。それでも交渉は停滞したままで、両者の温度差は埋まらない。
イギリスメディア『TRBfootball』によると、契約更新が難航するブラジル代表ウィンガーが今シーズン限りでマドリードを離れる可能性があり、リバプールやチェルシー、マンチェスター・シティ、アーセナル、パリ・サンジェルマン、バイエルン・ミュンヘンらメガクラブに現状が共有されたようだ。
リバプールにとって、左ウィンガーは補強ポイントになり得る。オランダ代表FWコーディ・ガクポの控えが17歳FWリオ・ングモハになっており、経験不足は否めない。一方で、若手選手の出場機会を阻止する選手の獲得にも尻込みしており、ングモハの才能に惚れ込んでいる側面もある。
現実的にはエジプト代表FWモハメド・サラーの後継者問題がより深刻で、右ウィンガーが最優先課題。左ウイングを主戦場とし、右利きのヴィニシウスはリバプールが求める条件とは異なる。また、守備を怠り、インテンシティも低い選手を迎え入れるほど金満クラブでもない。
どれほどブラジル代表FW側が売り込みをかけたとしても、アンフィールド行きが現実になる未来は描けない。ただし、他のクラブはわからない。同じくプレミアリーグのクラブは攻撃面以外での貢献度から躊躇する気がしないでもないが、フランスやドイツでは事情が異なる。
リバプールが狙うは、バイエルン・ミュンヘン所属のフランス代表FWマイケル・オリーセのような、左利きで右ウイングからカットインでき、シュートやアシストを決められるウィンガーであり、もしもまだ予算が残っているのであれば、そちらに大半を回すだろう。
プレースタイル的にはスペインがお似合いな気もしないでもないが、ヴィニシウスは金銭的要求を飲み、レアル・マドリードに残留するのか、もしくは新たなチャレンジを求めて、別のリーグに羽ばたくのだろうか…?
