プレミアリーグ制覇という栄光に浸る間もなく、リバプールのフロントオフィスはすでに次の時代を見据えた動きを見せた。この夏には大型補強と売却を実施し、チームの顔ぶれは大きく入れ替わった。
ただし、依然としてモハメド・サラーとフィルジル・ファンダイクの後継者探しは続く。スペイン紙『Fichajes』が報じるところによると、レッズはバレンシアの23歳センターバック、セサル・タレガ獲得に向けた計画を本格化させているようだ。
現在34歳になったと言えども、ファンダイクは依然として世界最高峰の守備者。昨シーズンには2027年まで契約延長を締結し、最低でも2年間はアンフィールドに留まる。未だに最終ラインでリーダーシップを発揮し、その存在感は偉大だ。
オランダ代表でもキャプテンを任されるファンダイクの経験を活かしながら、次世代のリーダーを育成するという戦略を実行に移すリバプールは、この夏の移籍市場において、イタリア代表DFジョヴァンニ・レオーニを獲得した。
不運にもレオーニは、前十字靭帯という大怪我を負ってしまい、今シーズンは絶望的になってしまたが、カラバオカップ3回戦でのパフォーマンスは期待感をのぞかせた。ただし、イブラヒマ・コナテやジョー・ゴメスの未来が不透明な中、新たなセンターバック探しは避けられない。
バレンシアDFタレガという選手の魅力は、その完成度の高さ。身長19センチの恵まれた体格を持ちながら、現代サッカーに不可欠な足元の技術を兼ね備えている。バレンシアでの成長曲線を見ると、2019年のユース加入から現在まで、一歩一歩着実にステップアップを重ねてきた。
また、コミュニケーション能力とリーダーシップも持ち合わせる。23歳という若さでありながら、ラ・リーガという技術的に洗練されたリーグで、バレンシアの守備陣を統率してきた。ファン・ダイクの卓越した指揮能力に依存している部分も大きいだけに、タレガの存在は、この依存度を分散させ、より柔軟で持続可能な守備組織を構築する可能性を秘めている。
バレンシアでは48試合に出場し、スペインU-21代表でも7試合でピッチに立っているが、トップレベルの舞台でのプレー経験が豊富とは言い難い。プレミアリーグの高いインテンシティの環境で、統率力を発揮できるかどうかはこれまでの実績とは異なる。
不確定要素も多いタレガよりも、この夏にリバプール加入が迫っていたイングランド代表DFマルク・グエイ獲得が理想的だ。プレミアリーグでの経験だけではなく、イングランド代表としても決勝の舞台も経験しており、キャプテンマークも巻いており、リーダーシップもある打ってつけの人材と言える。
はたして、リバプールはオランダ代表DFという偉大な選手の後任として、誰に白羽の矢を立てるのだろうか…？