守備陣の再構築が急務となるリバプールは、新たな選択肢を検討し始めた。英メディア『Team Talk』の報道によれば、レッズはボルシア・ドルトムントのセンターバック、ニコ・シュロッターベック獲得に向けた初期交渉を進めているようだ。
クラブの代理人との接触は前向きな雰囲気を保っているとされ、ドイツの至宝獲得の可能性が現実味を帯びてきた。 フィルジル・ファンダイクという偉大な後継者探しは、数年来の懸案事項である。昨シーズンには2027年まで契約延長を締結し、依然として世界最高峰の守備者としてアンフィールドを統率している。しかし、34歳という年齢を考えれば、次の時代への準備は不可避。
この夏、リバプールはイタリア代表DFジョヴァンニ・レオーニを獲得したが、前十字靭帯の大怪我により今季絶望。さらに、イブラヒマ・コナテは来夏の契約満了を控え、延長交渉が停滞している状況にある。ジョー・ゴメスも負傷歴が多く、アルネ・スロット監督は安定したローテーションを組むことが難しい局面に直面している。
シュロッターベックはブンデスリーガでトップクラスのセンターバックとして評価されてきた。身長191センチの恵まれた体格を活かしながら、現代サッカーに求められる足元の技術も兼ね備えている。 2024/25シーズンのデータでは、1試合平均2回以上のインターセプトを記録し、空中戦勝率は70％を超える。守備者としての堅実さに加え、左足からの正確なロングフィード能力は、単なるディフェンダーの域を超えている。攻撃の起点となれる左足の展開力は、リバプールにとって極めて重要な要素だ。 スロット監督は前線からのプレスと素早い攻撃切り替えを重視する戦術を標榜している。後方から一気に前線へボールを供給できる選手は、現在のレッズにおいて不可欠な存在になり得る。ファンダイクが築いてきた役割を継承しつつ、異なる形で守備を支配する可能性を秘めているのがシュロッターベックだといえる。 ドルトムント時代には、若手選手を支えるリーダー的存在として振る舞い、ビッグマッチでも動じない冷静さを発揮してきた。精神的な強さとインテリジェンスの高さは、アンフィールドの熱狂的な雰囲気に適応するうえで大きな武器となるだろう。 ただし、シュロッターベック獲得への道のりは平坦ではない。ドルトムントは2027年まで契約を残す有望株に対し、延長交渉を急いでいるからだ。しかし、選手本人は即答を避けており、移籍の可能性を完全には否定していないと報じられている。バイエルン・ミュンヘンやレアル・マドリードといったビッグクラブの関心をも呼び込んでいる。
リバプールにとって、新たなセンターバック確保は避けられない課題。この夏にはマルク・グエイ獲得直前まで迫っており、来夏にはフリートランスファーでの獲得を狙っているものの、移籍金なしなだけに、その争奪戦は熾烈を極める。
他にも、フランス代表DFダヨ・ウパメカノなどもターゲットとして浮上しており、万が一コナテが退団を決断した場合には、即戦力級のディフェンダーを2名加える未来もあり得る。
はたして、リバプールはドルトムントのセンターバックに白羽の矢を立てるのだろうか…？