弱冠20歳でサンダーランドからリバプールに加入した若き頃のジョーダン・ヘンダーソンは、スティーブン・ジェラードの存在も大きく、レギュラーを掴み切るには至らなかった。しかし、ユルゲン・クロップ監督の誕生が大きく人生を変えた。
持ち前のリーダーシップがさらに洗練され、ゲーゲンプレスに完全に合致。ピッチ全体を走り回り、相手のディフェンスラインや中盤にプレッシャーをかけ続けるプレースタイルで、数々のタイトルを掲げ、黄金時代のチームを引っ張り続けた。
しかし、年齢には逆らえない。アレクシス・マック・アリスターやドミニク・ソボスライらの加入に伴い、出番の減少を危惧したベテランMFは移籍を志願し、サウジアラビアに新天地を求めた。中東では成功しなかったが、今はブレントフォードに加入し、プレミアリーグの舞台でふたたび活躍している。
10年以上の時を過ごしたリバプールに大きな愛着を抱いていたヘンダーソンは、アンフィールドを離れるのはかなりタフな出来事だったと当時を振り返った。また、長らく同じチームで活躍した選手は同様の気持ちなるだろうとも語った。
「リバプールを離れた時は、本当に厳しい時期だった。僕は12年間という長い期間そこにいたからね。」
「リバプールを去ること自体が非常に大きく、本当に困難なことだった。あまりにも長い間、私の人生そのものだったものが、ああいう形で突然消えてしまうのだから、どの時点であっても辛かっただろう。だから、その後しばらくの間は苦しんだよ。」
「試合を多く観ることはできなかったね。特にリバプールの試合は絶対に観られなかった。当時はプレミアリーグの試合もほとんど観なかったよ…多分、その点では適切な場所を選んだんだろうね。僕は地球の裏側にいたんだ。」
「タフだったよ。でも、長い間そこにいて、強い愛着を持ち、人生の大部分を捧げたリバプールを去る時、とっても困難だと感じた。そして、私が何をしようと、どこへ行こうと…」
「どんな感じだったのか、よく分からない。 “別れ” のような感覚だった。ただ難しかったんだ。リバプールだけでなく、多くの選手に尋ねてみれば、長年所属したクラブを去る時、引退であろうと移籍であろうと、そのクラブへの愛着がある限り、同じように感じると思うよ。」
「しばらくの間は大変だったと思うが、時間が経てば物事は変わり、前に進める。だが、あの時期が恐らく最も困難だったと言えるだろうね。」
