アンフィールドに衝撃が走っている。王座防衛を目指すリバプールが、まさかの4連敗。前年度プレミアリーグを制覇したチームは、2025-26シーズン序盤で完全に迷走している。徐々に順位を落としているチームを立て直すべく、フロントは早くも次の一手を準備し始めた。
海外メディア『Footy-Africa』によれば、リバプールはブライトンのヤンクバ・ミンテ獲得に向けて1億ポンド以上の移籍金を用意しているようだ。
まだ公式オファーは提出されていないが、内部関係者は来年1月の移籍ウィンドウに向けて両クラブの交渉が加速する可能性を示唆している。21歳のガンビア代表ウインガーが、崩壊寸前のチームを救う切り札となるかもしれない。
今季のリバプールは、すべてが裏目に出ている。9月初旬、ニューカッスルからアレクサンデル・イサクを1億2500万ポンドという英国記録の移籍金で獲得した。フロリアン・ヴィルツやウーゴ・エキティケも加入し、攻撃陣を大幅に補強したはずだった。だが結果は無残。開幕から9試合を終えた時点で、チームは予想外の苦戦を強いられている。
アーセナルが首位を独走する一方、ディフェンディングチャンピオンのリバプールは完全に置き去りにされた。昇格組のサンダーランドですら、リバプールより上位につけている。この危機的な状況下で、フロントが白羽の矢を立てたのが、かつてアルネ・スロット監督が直接育てた逸材だった。
ミンテとスロット監督の関係は、2023-24シーズンのフェイエノールトに遡る。当時ニューカッスルからローンで加わった19歳のミンテは、オランダの舞台で大きく羽ばたいた。36試合で9ゴールを記録し、特にアヤックスとの宿敵対決では2ゴール1アシストの大活躍。6-0の歴史的勝利に貢献し、オランダカップ優勝の立役者となった。
フェイエノールトで急成長を遂げたミンテは、スロット監督の戦術を完璧に理解し、攻守両面で存在感を示した。昨夏にブライトンへ3000万ポンドで完全移籍すると、プレミアリーグでも着実に適応を見せている。今季はリーグ戦で1ゴール2アシストと、数字こそ控えめだが、スカウト陣は彼の潜在能力を高く評価している。
しかし、決定的な弱点がある。得点力だ。ブライトンでの47試合で8ゴール、キャリア通算101試合で23ゴールという数字は、率直に言って物足りない。モハメド・サラーはリバプールでの8シーズン、いずれも最低23ゴールを記録してきた。今季は9試合で3ゴール2アシストと不振に喘いでいるが、それでも彼が築いた基準は圧倒的に高い。
ミンテはまだ21歳だ。これから飛躍的に成長する可能性は十分にある。だが、サラーの代役として即座に機能するかどうかは、全く別の問題。チームを勝利に導く活躍ができるかいわれると、まだまだそのレベルには達していない。
そのような選手に対して、1億ポンドはやりすぎ。半額でも十分な価値であり、リバプールが本格的に動き出すのはさらなる成長を手にしたタイミングだろう。
他にもボーンマスのアントワーヌ・セメニョのように完成された選手がリストアップされており、マージーサイドのクラブにとってはミンテよりも彼らが優先されるはず。
はたして、短い期間と言えども、スロット監督のもとで覚醒したガンビア代表のウィンガーは、アンフィールドでプレーする未来はあるのだろうか…?
