長きにわたり右サイドを照らし続けたモハメド・サラーというエースが、その輝きを緩やかに変え始めている。後継者探しは、リバプールにとってしばらくの課題であり、エジプシャン・キングが来年には34歳を迎える中加速している。
そして今、その重責を担うにふさわしい、一人の若き才能が、ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンの右サイドで爆発的な輝きを放っている。その名は、ヤンクバ・ミンテ。
英『Footall Insider』によれば、リバプールがミンテをサラーの後継者候補の筆頭に挙げ、その獲得に強い関心を示しているようだ。この動きの背後には、アルネ・スロット監督の明確な意図が透けて見える。
スロット監督は、フェイエノールト時代にミンテを指導し、彼の底知れないポテンシャルを誰よりも深く理解している。この報道は、リバプールの未来の攻撃陣を再構築するための、戦略的な布石として捉えるべきだろう。
ミンテがサラーの理想的な後継者とされるのは、彼のプレースタイルが、アンフィールドの右サイドで成功が保証された「型」を継承しているからに他ならない。左利きでありながら、右ウイングを主戦場とするカットインもできるウインガー。
この配置は、サイドでボールを受けた際に、縦への突破と、中央へ切り込んで利き足でシュートやパスを繰り出すという、二重の脅威を相手に突きつける。サラーが長年アンフィールドで披露してきた、右サイドからの斜めの破壊力を、ミンテは最も忠実に再現できる選手と言える。
ブライトンで目覚ましい活躍を見せるミンテだが、ゴール数はサラーの後継者として物足りない。今シーズンは12試合で1ゴール3アシストを記録しており、特にそのドリブルの質は群を抜いているものの、ゴール関与数の低さは疑問符を投げかけられても不思議はない。
アルネ・スロット監督との師弟関係は決定的な要素になり得る。ミンテはニューカッスル・ユナイテッドからの期限付き移籍でフェイエノールトに在籍した際、スロット監督の下で飛躍的な成長を遂げた。監督はミンテの爆発的な加速力と一対一での圧倒的な強さを最大限に引き出す戦術を授け、ヨーロッパの舞台で通用する選手へと鍛え上げた。
今夏に大型補強を実施したリバプールにとって、ミンテのような圧倒的なスピードと、ボールを失った瞬間に即座に切り替えてプレスバックする献身的な守備意識を兼ね備えたウインガーは、まさに戦術の要にもなる。
プレミアリーグ開幕から様々な戦い方を試してきたが、現時点で機能しているものはない。昨シーズンを引き継いだようなフォーメーションでは良い戦いぶりを見せるが、イサクやヴィルツらを加えたものの、スロット監督が嗜好するようなパフォーマンスは披露できていない。
それがサラーの衰えに直結するかどうかはわからないが、運動量が落ちてきており、チームとしてのバランスを崩しているのは目にも明らか。いずれにせよ、来夏には対応しなければならない課題であり、ブライトンの快速ウィンガーに白羽の矢が立つのだろうか…？