ブンデスリーガのピッチを切り裂く、RBライプツィヒ所属のコートジボワール代表ウィンガー、ヤン・ディオマンデがリバプールの未来図に組み込まれるかもしれない。まだ19歳という年齢にもかかわらず、欧州のトップクラブが熱視線を送るこの超新星に対し、リバプールは具体的な動きを見せている。
ドイツの有力紙『Sport Bild』が報じたところでは、リバプールは定期的にライプツィヒの試合にスカウトを送り込み、彼のプレーを徹底的に分析しているようだ。将来的な補強選手として、候補者リストに名が刻まれている。
ユルゲン・クロップ監督の退任という歴史的な転換期を経たリバプールは、新たな戦術的アイデンティティを確立する途上にある。この再構築において、クラブが求めるのは、データに裏打ちされた実力と、アンフィールドの熱狂的な雰囲気に負けない情熱を併せ持つ選手だ。
ディオマンデのプレースタイルは、現代のウイングに求められる要素を凝縮している。身長180cmの彼は、爆発的な加速力と、ボールを足元に吸い付かせたまま高速で方向転換する卓越した技術を武器に、相手ディフェンスラインを切り崩す。
最も明確に示すのが、そのドリブル成功率。2025-2026シーズンのブンデスリーガにおいて、彼は驚異的な67%を超えるドリブル成功率を叩き出しており、これはリーグ屈指の数字として際立っている。
リバプールがディオマンデに傾倒する背景には、ウィンガー陣の再構築が含まれている。右サイドにはモハメド・サラーという絶対的なエースが存在するが、すでに33歳とキャリアは終盤にあり、今シーズンは年齢による衰えを顕著に表している。
左サイドのウインガーには、アルネ・スロット監督のお気に入りのコーディ・ガクポが存在するが、コロンビア代表FWルイス・ディアスの退団で競争力は下がった。リオ・ングモハがポテンシャルを見せつけるものの、レギュラーを奪い去るには時間がかかる。
ディオマンデは主に左ウイングを主戦場とする右利きであり、カットインからの強烈なシュート、そして縦への推進力で中央のスペースを創出する能力に長けており、オランダ代表ウィンガーとポジション争いを繰り広げる可能性も否定できない。
とはいえ、今夏にはマリック・フォフォナら若手の左ウィンガーへの関心が報じられたリバプールだが、最終的にはングモハの成長を優先。出番を奪わないように新たなウィンガーを確保しなかったこともあり、わずか数ヶ月でその方針を変更するとは思えない。
RBライプツィヒにとっても、この夏にスペインのレガネスから2000万ユーロで獲得したばかりの選手を半年間ないし1年間で手放すのは現実的ではない。また、契約解除条項を設定しておらず、その移籍金として1億ユーロという途方もないプライスタグを設定しているとも伝えられており、獲得は非現実的。
これまでもイブラヒマ・コナテやドミニク・ソボスライらがライプツィヒ経由でアンフィールドに渡っており、両クラブの関係性は良好。ブンデスリーガでさらなる成長を手にし、ヨーロッパでも屈指のウィンガーに成長したその時、リバプールが争奪戦に参戦するかもしれない…
