プレミアリーグの熱狂が続く中、リバプールのスカウト部門はすでに遥か先の未来を見据えている。彼らが現在、最も熱い視線を送るターゲット、それがクリスタル・パレスの若きMFアダム・ウォートンだ。
この夏の移籍市場で大型補強を敢行したのの、いまいち調子が上がらないリバプールは水面下で、クラブの長期的な中盤の再設計を完成させるための重要なピースを巡る交渉を始めている。
イギリスメディア『DAVEOCKOP』の報道によれば、リバプールはウォートン獲得に向けた初段階の話し合いに着手しており、その照準は2026年の夏の移籍市場に定められている。ライアン・フラーフェンベルフやアレクシス・マック・アリスターらの競争相手を迎え入れたい構えだ。
さらに、この移籍劇の実現可能性を劇的に高めているのが、ウォートン自身の強い希望。アンフィールドへの移籍を熱望しているとも伝えており、この若き司令塔の心は、すでにマージーサイドの赤いユニフォームに傾倒しているのかもしれない。
しかし、この壮大な物語には、クリスタル・パレスという強固な壁が立ちはだかっている。パレスはウォートンをチームの未来の中心人物と見なしており、7000万ポンドを優に超える移籍金が必要不可欠となる見通し。2029年まで契約を残すパレスの断固たる姿勢は、1月の移籍が極めて困難であることを示している。
イングランド代表でも活躍する21歳MFウォートンは、中盤の深い位置からゲームを組み立てるレジスタとしての能力と、ボール奪取後の即座のトランジションを可能にする守備意識を併せ持つ、現代フットボールが渇望するタイプのミッドフィールダー。
欧州トップリーグのミッドフィールダーと比較して、プログレッシブ・パスの数で93パーセンタイルという驚異的な数値を叩き出している。安全な横パスやバックパスに終始せず、常に相手の守備ラインを切り裂くような縦への推進力をチームにもたらしている証拠だ。
相手のプレッシャーが最も厳しい状況下でも、冷静に状況を把握し、最も効果的なライン・ブレイキング・パスを繰り出すことができる。また、ディフェンスにおいても怠ることなく、パレスの中盤に欠かせない存在として君臨する。
とはいえ、予算には限りがある。この夏に大金を投じたものの、新戦力はまだまだフィットしきれていない。他にもモハメド・サラーの衰えやフィルジル・ファンダイクの後継者と主要なポジションの補強が欠かせない。
そうした中で、比較的枚数が揃っている中盤にさらなる予算を振り分けるとは思えないが、右ウィンガーやセンターバックよりもイングランド代表のミッドフィルダーに白羽の矢を立てることになるのだろか…?
