ユルゲン・クロップ監督の情熱的な時代が幕を閉じ、アルネ・スロット新監督が持ち込んだのは、緻密に計算された戦術と、選手一人ひとりの全能性を求める新たな哲学。この変革の最前線で、リバプールが来夏の目玉として、一つの名前が突如として浮上した。
英国の有力紙『The Times』によると、リバプールーがノッティンガム・フォレストに所属するイングランド代表MFエリオット・アンダーソンに関心を示しているようだ。マンチェスター・ユナイテッドやニューカッスル・ユナイテッドといった国内の強豪も獲得に動いており、熾烈な争奪戦が予想される。
アンダーソンの2025/26シーズン序盤のスタッツは、彼の能力がスロット監督の要求と驚くほど高いレベルで一致していることを証明している。ノッティンガム・フォレストの中盤で、攻守両面において圧倒的な存在感を放っている。
ライアン・フラーフェンベルフに代表されるようにボールを前に運べる守備的ミッドフィルダーを好むスロット監督だけに、オランダ代表以上にボール奪取能力に優れる23歳MFの存在は中盤を大幅にアップグレードすることだろう。
ただし、フォレストも簡単に手放すつもりはない。彼らが要求するのは、1億ポンドに達するとも言われており、この夏に続いて巨額の投資が必要となる。今夏にもフロリアン・ヴィルツやアレクサンデル・イサクらを加えており、予算がどこまで残されているのかが気がかり。
また、リバプールにとってはミッドフィルダーよりも補強すべきポジションは多い。モハメド・サラーやフィルジル・ファンダイクの後継者、契約問題に揺れるイブラヒマ・コナテに代わるセンターバック、今夏にACミラン移籍が近づいていたジョー・ゴメスの穴埋め要員と、右ウィンガーやセンターバックが最優先課題。
まして、1億ポンドという法外な金額を支払うよりは、ヴィルツや若手選手を含めたミッドフィルダー陣の底上げがプライオリティとなる。また、今シーズンはチーム状況が不調なだけに、ドミニク・ソボスライやアレクシス・マック・アリスターら実力者が揃う中盤に使える予算は少ないはずだ。
はたして、ボーンマスFWアントワーヌ・セメニョやクリスタル・パレスDFマルク・グエイ獲得も報じられているリバプールは、比較的充実している中盤にもメスを入れるのだろうか…？