冬の移籍市場が近づくにつれて、欧州の強豪クラブが動き始めている。その中心にいるのが、RBライプツィヒの22歳フランス代表DFカステロ・ルケバである。
海外メディア『CaughtOffside』の報道によれば、チェルシーが獲得レースで現在トップを走っており、リバプール、マンチェスター・ユナイテッド、ニューカッスル・ユナイテッドといったプレミアリーグの複数クラブがこのフランス人DFに強い関心を示している。
ルケバはオリンピック・リヨンでキャリアをスタートさせ、2023年夏にライプツィヒへ3400万ユーロで移籍した。以降、ブンデスリーガで不動のレギュラーの座を確立し、今シーズンも12試合に出場している。
彼の契約には9000万ユーロの解除条項が含まれており、2029年まで有効である。しかし、このリリース条項は来夏には8000万ユーロに下がると見られ、それ以上に6000万ユーロ前後の移籍金でもライプツィヒは売却に応じる可能性すら出ている。これにより、プレミアリーグのクラブにとっては絶好の機会となりつつある。
チェルシーがルケバ獲得に本気である理由は、クラブの若手重視戦略と一致するからだ。トッド・ベーリー体制下では将来性のある若手選手への大型投資を続けており、22歳のルケバはその方針に完璧にマッチする。
チェルシーは守備の中心を強化し、トップクラスの若手タレントへの投資を継続したいと考えている。2025/26シーズンは積極的な補強を実施したチェルシーだが、センターバックの層をさらに厚くすることでタイトル争いへの本気度を示す狙いがある。
一方、リバプールにとっては異なる文脈がある。レッズは今夏、パルマから18歳のジョヴァンニ・レオーニを獲得したばかりだが、レオーニはデビュー戦で左膝の前十字靭帯を断裂し、約1年間の離脱が確定。
現在、アルネ・スロット監督の下でセンターバックとして使えるのはフィルジル・ファンダイク、イブラヒマ・コナテ、ジョー・ゴメスの3人のみ。ルケバはリバプールにとって長期的な投資であると同時に、最近苦戦している守備陣への即戦力補強となる。ファン・ダイクは依然としてチームの柱だが、34歳を迎えており、後継者の確保は避けられない課題である。
ルケバのプロフィールは現代サッカーが求めるセンターバックとして魅力的。フィジカルの強さ、ボール扱いの巧さ、そして優れた運動能力を兼ね備えており、プレミアリーグの激しいプレースタイルにも対応できる。
ファンダイクだけではなく、現有センターバックの去就に不安が残るリバプール。コナテは契約更新に向けた話し合いが続くも、現時点では進捗なし。ゴメスはスロット監督の信頼を得ているとは言い難い状況が続き、コナテのコンディションが良くない期間もあまり起用されていない。
クリスタル・パレスのイングランド代表DFマルク・グエイがトップターゲットに据えられており、この夏の移籍市場では加入直前まで近づいた。レアル・マドリードなどが関心を示すと言われる中、グエイ本人はアンフィールドでのプレーを夢に見ているとの報道も出回っている。
いずれにしても、8000万や9000万ユーロで獲得する未来は見えない。6000万ユーロならば可能性はあるが、レオーニの存在やコナテが残留したとすれば、3番手以降のセンターバックに対しては高額すぎる。
はたして、リバプールがチェルシーらとの争奪戦を演じることになるのだろうか…?
