アンフィールドが今冬、大胆な補強に乗り出す。海外メディア『CaughtOffside』によれば、リバプールはレアル・マドリードのエドゥアルド・カマヴィンガに対して6000万ユーロのオファーを準備しており、来年1月の移籍市場で本格的な交渉に臨む構えだ。
アルネ・スロット監督が率いるチームは今シーズン、プレミアリーグ王者として期待されながらも苦しいスタートを切っており、中盤のテコ入れが急務となっている。
カマヴィンガは今季、シャビ・アロンソ新監督の下でレギュラーポジションを掴めていない。リーグ戦ではわずか3試合の先発出場にとどまり、チャンピオンズリーグでも2試合しか先発機会を得ていない。
フェデリコ・バルベルデ、オーレリアン・チュアメニ、ジュード・ベリンガムらが中盤の主力として君臨する中、23歳のフランス代表MFは控えに甘んじる日々が続いている。この膠着した立場が、リバプールにとっては好機となった。
しかし、マドリード側は簡単に手放す気はない。クラブ首脳陣は8000万ユーロという価格を設定しており、この金額に届かない限り交渉のテーブルにすら着かない方針。表向きカマヴィンガは非売品扱いだが、内部では彼の長期的な役割について議論が進んでいる。
フィジカル面での脆さや、なかなか定位置を掴めない現実を考慮し、適切なオファーがあれば売却を検討する余地があるとの見方も浮上している。
ただし、リバプールだけがカマヴィンガに照準を合わせているわけではない。マンチェスター・ユナイテッドはカゼミーロの後継者として彼の獲得を視野に入れており、パリ・サンジェルマンもフランス人スターの獲得に熱を上げている。
チェルシーとアーセナルも動向を追っており、バイエルン・ミュンヘンもコンタクトを継続中。来年夏の移籍市場は、カマヴィンガをめぐる熾烈な争奪戦の舞台となるだろう。
リバプールには一定の優位性がある。今シーズン、カマヴィンガはアロンソ監督の下でリーグ戦の出場時間の30%程度しかプレーできていない。この出場機会の少なさは、選手本人にとってキャリアの停滞を意味する。
定期的に試合に出られる環境を求めるのは当然であり、リバプールはその受け皿を提供できる立場にある。スロット監督は中盤の再構築を最優先課題に掲げており、カマヴィンガの汎用性と身体能力を高く評価している。
リバプールが提示する6000万ユーロは決して安い金額ではない。カマヴィンガの推定市場価値は5000万ユーロであり、その評価額を上回る提案である。しかし、マドリードが求める8000万ユーロとの差は2000万ユーロに達し、この溝を埋めるのは容易ではない。
分割払いやパフォーマンス連動型のボーナス条項を提示することで、マドリードとの妥協点を探る可能性がある。カマヴィンガの契約は2029年まで残っており、マドリードには売却を急ぐ理由がない。
だが、選手が出場機会を求めて移籍を希望すれば、話は変わってくる。マドリードはこれまでも、アルバロ・モラタやセルヒオ・レギロンといった若手を適切なタイミングで売却し、資金を確保してきた実績を持つ。カマヴィンガのケースも、最終的には選手の意向とクラブの戦略次第になるだろう。
リバプールにとって、カマヴィンガの獲得はスロット監督が掲げる中盤再建の核となる。昨シーズンからのライアン・フラーフェンベルフ依存は変わらず、不在の際に代わりを務められる選手が不足している。
アレクシス・マカリスターやドミニク・ソボスライはいずれも優れたタレントだが、守備面での強度とフィジカルを兼ね備えた選手層をさらに厚くする必要がある。カマヴィンガはその要件を満たす数少ない選手のひとりと言える。
とはいえ、リバプールが現段階で6000万ないし8000万ユーロもの大金を中盤に使うわけはない。多くの予算を投資するならば、モハメド・サラーの後継者になり得る右ウィンガーかフィルジル・ファンダイクの後任になれるセンターバックだ。
いますぐにカマヴィンガがアンフィールドに向かう可能性はゼロに近いが、マドリードでの序列は低下しており、プレミアリーグでの挑戦はひとつの解決策になるかもしれない…
