2025年8月31日、移籍期限の最終日、マルク・グエイはアンフィールドへの扉の前に立っていた。リバプールとクリスタル・パレスは3500万ポンドで合意し、メディカルチェックも完了、5年契約の書類も用意されていた。
しかし、移籍期限のわずか数分前、パレスが後任を確保できなかったことで、この移籍劇は幕を閉じた。あれから3か月以上が経過し、グエイはふたたび移籍市場の中心に立っている。今度は、リバプールだけでなく、バルセロナという新たなメガクラブが獲得レースに名乗りを上げている。
イギリスメディア『TEAMtalk』の報道によれば、バルセロナは過去2週間でグエイの代理人に2度の正式アプローチを行い、来夏のフリー移籍での獲得に向けて本格的な交渉を開始したようだ。
ハンシ・フリック監督は、イニゴ・マルティネスが今夏にアル・ナスルへと移籍して以降、センターバックの補強を最優先課題と位置づけており、イングランド代表DFはその候補リストの上位に名を連ねている。
アンドレアス・クリステンセン、ロナルド・アラウホ、エリック・ガルシアを試したものの、完璧な解決策は見つかっていないカタルーニャの王者は、1月1日から海外クラブとの事前契約交渉が可能になる制度を最大限に利用し、リバプールより先に交渉のテーブルに着く計画を立てているそう。
2025年5月17日、彼はパレスのキャプテンとしてマンチェスター・シティを1-0で破り、クラブ史上初のFAカップ優勝を達成した。わずか3か月後の8月10日には、コミュニティシールドでリバプールと対戦し、PK戦の末に勝利を収めて2つ目のトロフィーを手にした。
代表でも決勝の舞台に立つなど国際舞台でも活躍しており、実績を着実に積み上げている。プレミアリーグを象徴するディフェンダーまで成長しており、リバプールに限らず、強豪クラブが狙いを定めるのは必然だ。
持ち前の統率力、身長こそ低いがフィジカルや高さでも簡単には負けない。前線へのパスにも優れており、今シーズンはゴールも奪えることも証明中。フィルジル・ファンダイクの衰えに加えて、イブラヒマ・コナテの去就が不透明な今こそ、リバプールにとっても喉から手が出るほどに欲しい人材だ。
年齢も25歳と脂が乗り切った年齢。本格的にスロット体制に移行した今シーズンは守備のバランスに苦しめられており、簡単に失点するシーンも少なくない。ひとりの力だけで解決する類のものではないものの、グエイ加入は再建へ大きな足がかりとなる。
グエイを巡っては様々な憶測が流れており、選手本人はまだアンフィールド行きを希望しているやら、バルセロナ以外にもレアル・マドリードやバイエルン・ミュンヘンが熱視線を送っているとの報道も出回っている。
その真意は掴めないが、この夏には加入直前まで迫ったイングランド代表のセンターバックは好調とはいえないリバプール行きをそれでも願うのか、もしくは別のクラブでの旅を優先することになるのだろうか…?
