リバプールはかつてない試練の季節を過ごしている。昨シーズンの躍進によって高まりきった期待値とは裏腹に、ピッチ上で繰り広げられる現実はあまりにも残酷。無敵の要塞と化したかつてのアンフィールド鳴りを潜めている。
サポーターの間に広がる焦燥感、そしてメディアから浴びせられる容赦ない糾弾。その嵐のど真ん中に立ち、巨大な壁としてチームを支えようとするのが、チームのキャプテンであるオランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイク。
英『Sky Sports』とのインタビューで語った言葉は、崩れかけた名門の土台を必死に繋ぎ止めようとする、主将としての悲痛な叫びであり、同時に断固たる決意の表明でもあったが、一方で現在の低迷を一切の虚飾なく受け入れている。
ファンダイクは自分たちが浴びている批判は当然の結果であると認めた。パフォーマンスが低下している今の姿は、昨シーズンに自分たちが設定した高い基準に遠く及ばない。プロフェッショナルとして、結果が出ないことへの責任を誰よりも痛感しているのは、ピッチに立つ選手たち自身である。
今の自分たちが批判を招くような不甲斐ない戦いを続けていることを事実として認め、それを言い訳で塗りつぶすような真似はしなかった。この潔いまでの自己批判こそが、リバプールというクラブが持ち続けてきた誠実さそのものである。一方で、監督や選手の人格、あるいはこれまで築き上げてきたプロセスそのものを嘲笑うような態度は断じて許容できないとも語った。
「先週も言ったし、ここでも言っているが、今の自分たちのシーズンを考えれば、批判は当然の報い。時折見せているプレーの内容や、立て続けに試合に敗れている現状があるからだ。」
「それは自分たちが設定した基準、特に昨シーズンの基準には到底及ばない。だが、そこには批判があり、そしてリスペクトの欠如がある。」
「まあ、それは個人の感じ方次第だろう。先週も同じ質問を受けた。その不敬が当然のものか、と。自分には分からない。常にそれを読んでいるわけではないからね。」
「我々はあるプロセスの中にあり、それには単に時間が必要なのだと感じている。僕の知るリバプールというクラブは、拙速な決断を下すような組織ではなく、プロセスを信頼するクラブなんだ。」
「だが、世の中の仕組みも、監督が置かれているプレッシャーも、現在の結果に対して説明責任や全責任を問われる立場にあることも分かっている。それでも、これがプロセスであると感じているし、このプロセスをポジティブな形で終わらせるためのリスペクトとチャンスを得るに値すると、僕の目には映っている。僕らはただ進み続けるしかない。」
データを見れば、今季のリバプールが直面している苦境は深刻。失点数は昨シーズンの同時期を大きく上回り、クリーンシートの回数も激減している。スロット監督が導入した緻密なポゼッションサッカーは、歯車が狂えば一転してカウンターの餌食となるリスクを孕んでいる。
だが、ファンダイクは、こうした数字上の不振を単に結果として嘆くのではなく、改善すべき明確な課題として捉えている。自分たちの基準を取り戻すこと。そのために必要なのは、外からの野次馬的な騒音に惑わされることではなく、内なる基準を再び研ぎ澄ます作業に他ならない。
