イングランド南海岸に位置するボーンマスのバイタリティ・スタジアムが、これほどまでにひとりの若者のプレーに沸き立ったことがあっただろうか。2025年の夏、フランスのロリアンから鳴り物入りでやってきたイーライ・ジュニア・クルーピは、プレミアリーグという世界最高峰の舞台において、瞬く間に自らの価値を証明してみせた。
19歳となったこのフランス人アタッカーは、もはやボーンマスの躍進を支える屋台骨であり、リーグ屈指の脅威へと変貌を遂げている。特に1月24日に行われたリバプールとの一戦では、アルネ・スロット監督率いる強豪を相手に縦横無尽にピッチを駆け回り、3-2の劇的な勝利に大きく貢献。
この試合で見せた圧倒的なスピードとゴール前での冷静沈着な振る舞いは、対戦相手であったリバプールのスカウティング部門に強烈な印象を植え付けたに違いない。今シーズンはすでにリーグ戦で8ゴールを記録しており、その多くが試合の流れを決定づける重要な局面で生まれている。
左サイドからのカットインだけでなく、トップ下やセカンドストライカーとしても機能する柔軟性は、アンドニ・イラオラ監督が推進するアグレッシブなプレースタイルを後押し。チャンスを待つだけの選手ではなく、困難な状況から自力でゴールをこじ開ける能力を備えている。
英『The Sun』によると、19歳のアタッカーはヨーロッパの名門から関心を寄せらている。リバプール以外にも、チェルシーやレアル・マドリード、パリ・サンジェルマンといったメガクラブが争奪戦に参加しており、この夏にも熾烈な競争が勃発するかもしれない。
同紙はボーンマスの内通者からの情報として、クラブ最高額を上回る8000万ポンド超の移籍金に達すると見込んでいるそう。初挑戦のプレミアリーグでブレークしたとしても、まだ1年目で、まだスタメンの回数が少ない現状を鑑みれば、法外な要求額と言える。
とはいえ、19歳で二桁ゴールに迫る活躍を見せているのは希少性が高い。また、複数ポジションでプレーできるのは、スロット監督の選択肢を広げることになる。場合によっては、ドイツ代表MFフロリアン・ヴィルツの控えに据えることも視野に入る。
とはいえ、現時点ではリバプールが争奪戦に加わるとは思えない。アレクサンデル・イサクやウーゴ・エキティケといった2大ストライカーを獲得したばかりで、センターフォワードのポジションに大金を投じる未来は想像しにくい。
はたして、リバプールは2年連続でボーンマスから選手を補強することになるのだろうか…?
