チアゴ・アルカンタラ獲得の噂やジョルジニオ・ワイナルドゥムとの契約延長問題と移籍報道には事欠かないリバプールだが、実際には獲得に至ったのはギリシャ代表DFコスタス・ツィミカスのみ。放出は動きがある一方、昨年に続き静かな移籍マーケットを過ごしている。
ただし、将来への投資は怠っていない。ハーヴェイ・エリオットがフラムから加入した昨年夏に続き、今夏もスティーブン・ジェラード政権を見据えた補強をまもなく完了させる。選手の名前はマルセロ・ピタルガ、ブラジルのフルミネンセに所属する17歳GKだ。1.91mと高身長で、長い手足を武器に相手のシュートをことごとくストップする。
背景には、ブラジル代表とリバプールで躍動するGKアリソン・ベッカーの存在がある。ピタルガのポテンシャルの高さに舌を巻いたアリソンがクラブに推薦したと伝えられ、スカウティングチームもトップチームすら飾っていないピタルガのパフォーマンスを今年1月から継続的に観察。お眼鏡に叶い、今回の移籍を勝ち取った。
アリソンの兄であるムリエル・グスタボ・ベッカーもまたフルミネンセ所属選手であり、ピタルガとはともにトレーニングする間柄。アリソンと兄に挟まれ写真にも収まっており、アリソン兄弟と良好な関係を築いている。今回の獲得は、アリソンのみならずに、ベッカー家のお手柄、ベッカー家コネクションとも言える。
移籍金は100万ポンド(約1.4億円)にプラスして、80万ポンド(約1.1億円)が活躍に応じて支払われる。加えて、次回移籍した場合、移籍金の25%を受け取る条項が盛り込まれている。
ドイツにルーツを持ち、ドイツ国籍も保持しているため、イングランド移籍には厄介な労働許可(ワークパミッション)はすでにクリアしている。アリソンもまたドイツに先祖を持ち、ドイツ系移民が多く、新ハンブルグの意味を持つノヴォ・アンブルゴで育っており、共通項がなんとも多い…
加入後はリバプールユースで能力を磨く予定で、U19やU23で徐々に実績を積み上げていき、5年後くらいにはトップチームのベンチ入りを目指したいところだ。