主にベニテス政権時のリバプールで左サイドバックとして活躍したスティーヴン・ウォーノックは、自身が解説を務めるBBCラジオで、辛勝したアヤックス戦において言及。先発したロベルト・フィルミーノよりも、後半に途中出場を果たした南野拓実のパフォーマンが優れていたと明言した。
「南野を前線に置いたときに、明らかに違いが垣間見れた。」
「最前線でゴールを保持し、味方とリンクアップする。フィルミーノがプレーしていた前半よりも、格段にうまくやっていた。南野のボール保持とリンクアッププレーによって、セカンドハーフのすべてが良い方向へと変わっていった。」
「それによって、中盤の選手たちが高い位置でプレス可能になった。さらに、ディフェンス陣にもラインを上げるための猶予を与えた。」
「それぞれのポジションが高くなることで、アヤックスの選手たちに激しいプレスをかけられる。単純なパスでは攻撃を組み立てられなくなり、彼らが出すパスのすべてが、プレッシャーに晒されることになった。」
モハメド・サラーやサディオ・マネに比べると、圧倒的にゴール数が物足りないブラジル代表FWは、最近批判が多くなってきている。前線からのプレッシャーをかけるファースト・ディフェンダーとしての役割を担いつつ、サラーやマネというワールドクラスの点取屋を活かす役割を背負っている。
つまり、従来のセンターフォワードに求められるゴールだけではない貢献が必須条件。ただ、数値に残らない貢献があまりに多すぎるために、ぱっと見で判断してしまうと、批判対象になってしまうのは止むを得ないだろう。しかし、玄人はリバプールにおけるフィルミーノ・ロールをいやと言うほど理解しており、同時に評価している。
南野拓実はプレシーズンから好調を維持しており、カップ戦ではゴールとアシスト共に量産している。いまだにプレミアリーグでゴールがないため、得点力という観点では、さほど代わり映えしない可能性はある。ただ、ポジショニングで守備をするタイプのフィルミーノと、スピードを持ってボールを奪いにいくタイプの南野の守備の違いに、アヤックスが困惑しただけかもしれない。
スティーヴン・ウォーノックはあくまで、チャンピオンズリーグ初戦のアヤックス戦だけに集中してコメントを発しているため、そのままフィルミーノを変えれば良いという考えではない。個人的にも、ベストポジションはやはりトップ下。前線に張り続けるよりも、フィルミーノやサラーがセンターフォワードを務めているときのパフォーマンスが秀でている。
早くプレミアリーグで得点を決める日本代表FWを見たいのは山々。さらに言えば、プレシーズンマッチで試した(南野をトップ下に配置した)フォーメーションを使う試合を観戦してみたい…