プレミアリーグで沸き起こるVAR問題について、FIFA会長ジャンニ・インファンティーノが言及…『VARは決して、試合を壊していない』

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昨シーズンにも増して、VARへの風当たりが強い。オフサイドやハンドボール判定のルール変更により複雑化しており、テクノロジーも未発達な部分も多く、コンマ数秒では誤差が出ており、選手の動きには付いていけていないのが現実。主審や選手もルール変更とVARには苦戦しており、今シーズンはとくに不可解な判定が続出している。

オフサイドを巡っては、リバプールFWサディオ・マネやリーズFWパトリック・バンフォード、アストン・ビラFWオリー・ワトキンスらが数ミリ単位のオフサイド判定に泣かされた。適切なコマが選択されているのか、さらには適切なラインが引かれているあか…担当によって違いが出る。

ハンドボールも普通の動きでPKを取られ、守備陣はPKエリア内では常に後ろで手を組まなければならず、最適なディフェンスが出来ない。ファール判定に関しても、ファールになるべきではないソフトな接触も笛が吹かれ、少しでも触れられたら倒れ、VARに判断を仰ぐ…倒れず我慢してプレー続行する良質な選手があたかも悪者扱いされているよう。

損するチームもいれば、得するチームもいる。今期に限って言えば、マンチェスター・ユナイテッドが最たる例だろう。WBA戦では、ブルーノ・フェルナンデスの明らかなファールにも関わらず、PK判定が覆った。チェルシー戦では、ハリー・マグワイアによるセサル・アスピリクエタへのファールはVAR対象にすらならず放置。ウェストハム戦ではサイドラインを割ったボールからのゴールが認められた。

VAR判定や導入のタイミングについては、監督や選手問わず懸念の声を上げており、VARの存在意義が問われている。リバプールMFジェームズ・ミルナーはモハメド・サラーのゴールがオフサイドかすら不明瞭な線引きで取り消され、最終的に引き分けで終わったブライトン戦後に自身のツイッターで、VARに関して本格的な議論が必要だと訴えている。

VAR判定に泣かされることが多いリバプールの選手だけが不満を言っているわけではない。アストン・ビラMFで、キャプテンも務めるジャック・グリーリッシュは「VARが試合を壊している」と、強い口調でVAR判定へ異議を称えている。

不満が噴出するVARに関して、FIFA会長ジャンニ・インファンティーノが口を開き、ビデオ・アシスタント・レフェリーはまだ発展途上であることを強調している。

「VARが初めて導入されたのは、たった2年前であることを忘れてはいけない。決して、20年前から導入されているものではない。VARはサッカーを手助けしているし、決して試合を壊してなどいない。」

「VAR問題とミスジャッジを混同してはならない。時として、間違った判定が下される場面があるかも知れないが、それはVARを使う側の経験不足から生じるものである。VARに慣れていないレフリーたちにとっても、大きな変化であることも忘れないで欲しい。」

「起こっている事象をかき集め、批判は受け止めた上で、分析していく必要がある。VARは義務ではなく、サポートするものだ。使いたくなければ、使わなければ良いだけだ。ワールドカップでも審判団を助け、数多くの大会でもレフリーを手助けしている。選手や監督たちも理解に難くないだろう。」

他のリーグについては、あまり把握していない。それでも、プレミアリーグについては、主審やVAR担当によって逐一変化する基準を揃える必要がある。その上で、テクノロジーが追いついていけない瞬間(例えば、数ミリ単位のオフサイド)については不問にするなど、対応策と説明がなされるべきであろう。FIFAという組織よりも、イングランドサッカー協会(FA)の課題だろう。

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