モハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノが形成する世界でもトップクラスの攻撃陣”フロントスリー”のバックアップ、もしくは後継者探しはいまに始まったことではない。いずれも30歳を目前としており、数年後には世代交代が必要不可欠である。
ディオゴ・ジョッタが加入直後からゴールを重ね、前線3枚のポジションを脅かすほど。しかし、負傷により戦線離脱。シェルダン・シャキリやディボク・オリギらがアピールに失敗しており、フロントスリーの負担は増すばかり。後継者の最右翼ディオゴ・ジョッタの復帰が待たれる。
ブラックバーン・ローヴァーズで武者修行中で、得点とアシストともに主力級の活躍を見せるハーヴェイ・エリオット。来シーズンはトップチームでの飛躍が期待されており、モハメド・サラーの状態次第では、レギュラーも夢物語ではないかもしれない。
シャキリとオリギが今夏で退団する可能性が高く、ローン中の南野拓実の去就も不透明。サウサンプトンでの活躍によっては、リバプールでのチャンスをふたたび与えられる可能性もあるが、放出も選択肢に挙がっているに違いない。そんな中、ユルゲン・クロップ監督がクラブに対し、レアル・マドリードFWヴィニシウス・ジュニオール獲得をの説得を試みているようだ。
フラメンゴからスペインの首都へと活躍の場を移したブラジル人FWだが、期待に見合ったプレーを見せることができているとは言い難い。今シーズンも19試合に出場しているものの、ゴール数はたった”2″。エースであるカリム・ベンゼマの負担を軽減するには至っていない。
ただし、そのポテンシャルがいまだに高い評価を得ている。年齢もまだ20歳と若く、キャリアをふたたび輝かせるだけの時間は十分ある。鋭いドリブル突破は最大の特徴で、ボールを持ちすぎる嫌いはあるが、パスやポジショニングなどをサディオ・マネから学べれば、世界トップクラスのストライカーへと成長できるだろう。
レアル・マドリードも売却には前向きであり、適正価格でのオファーが届けば、鳴り物入りで加入した元フラメンゴFWの放出も厭わない。売却した移籍金で、噂されるキリアン・エムバペらの補強に充てる見込みとのこと。
4000万ユーロ(約52億円)とも言われる評価額であり、決して安価とは言えない。それでも、エムバペやアーリング・ブラウト・ハーランド、ジェイドン・サンチョなど若手の中でもスター選手の獲得となれば、倍以上の移籍金が必要となってしまうため、相対的には安く手に入れられる。
メインポジションは、左ウイング。センターフォワードや右ウイングでのプレーも可能であり、複数ポジションを兼任できるため、メリットが大きい。移籍金捻出のため、シャキリやオリギ、ナサニエル・フィリップス…などスタメンになりきれない選手たちの売却で稼ぐ算段であろう。
仮にヴィニシウスが加入となれば、スタメンに『マネ – フィルミーノ – サラー』が名前を連ねる。彼らのバックアップとして、ヴィニシウスに加え、エリオットとジョッタ…現有戦力には申し訳ないが、全体的なパワーアップに寄与する。
プレミアリーグに適応できるかは未知数。それでも、イングランドでの生活やリバプールへの適応については、ブラジル代表の先輩フィルミーノ、ファビーニョ、アリソンが盤石な受け入れ態勢が整っている。少なくとも絶対にありえない補強プランではなく、実現可能性も高い。
残るは、リバプールの移籍委員会に対して、ユルゲン・クロップ監督が説得できるかに掛かっている…