レイトン・クラークソン、ジェイク・ケイン…将来性豊かなミッドフィルダーの多いリバプールアカデミー。両選手ともすでにトップチームデビューも果たしており、近い将来トップチームに定着する確率は非常に高い。
ただ、注目すべき中盤の選手は彼らだけではない。7歳からリバプールアカデミーで育ち、今年始めに長期契約を締結したタイラー・モートンの成長も見逃せない。18歳となったモートンは、リバプールU-23でも出場機会を得ており、6試合4ゴールと好成績を残している。U-18サイドでも5試合に出場しており、3ゴール3アシストと順調な成長を見せている。
中盤であれば、攻撃的・守備的問わずプレー可能。アンカーとして、センターバックの前でフィルターの役割を担いつつ、パスを散らす役割を請け負う。一方、レイトン・クラークソンがいる場合は、得点への嗅覚を最大限活かすために、ボックス・トゥ・ボックスMFとして振舞うこともできる。
基本情報
名前:タイラー・モートン(Tyler Morton)
誕生日:2002年10月31日
出身:イングランド ウィラル
ポジション:ミッドフィルダー
経歴:リバプール
豊富な運動量を持ち、ピッチを縦横無尽に走り回れる。テクニックやパスセンス、ビジョンの要素について、ジェイク・ケインやレイトン・クラークソンが優れているだろう。2人になくて、タイラー・モートンにあるもの…それがプレーのダイナミックさと得点への嗅覚だ。モートン本人も選手との違いについて、言及している。
「正直なところ、ケインとクラークソンとのうまくやるのは簡単だね。彼らは選手として似ていて、同じようなプレースタイルを持っている。」
「僕はもっと”ボックス・トゥ・ボックス”タイプの選手で、タックルが好きだ。僕がタックルする姿を見ると、みんな驚いているよ。慄く表情を何度も見てきた。」
「ただのプレーメーカーじゃなくて、すべてを少しずつできるようになりたい!」
守備にも奔走しつつ、攻撃時にも高い位置で相手守備陣と対峙する。ペナルティエリア付近でのパスやミドルシュートで攻撃にアクセントを与え、チャンスには自らゴールを奪える。キック力がまだまだ物足りないが、スティーブン・ジェラードのプレーを再現できるだけのポテンシャルを兼ね備えている。
激しすぎる点が玉に瑕だが、当たり負けしないフィジカルは評価に値する。トップチーム含め、線の細い選手も目立つリバプールにおいて、ジェームズ・ミルナーのように対人プレーでも強さを発揮できうるポテンシャルを感じさせる。筋肉量を増やしていけば、中盤でのダイナモとして、ゲーゲンプレスのエンジンになれる可能性は高い。
アンフィールドのシーズンチケットホルダーを父と兄に持った環境で育った生粋のKOPでもある。そんな愛するクラブに幼いころから所属できる時点で、恵まれていると言えるが、モートンの夢は尽きない。スティーブン・ジェラードに憧れた若き才能は、新たなヒーローをトップチームで見つけたようだ。
「今のアイドルは、チアゴさ!彼のプレーからは目が離せないね。」
「ときどき彼のプレーを真似しようと試みている。スパイクの裏でボールをコントロールしたり、ノールックでパスしたり…まさに素晴らしい選手だよ。」
リバプールと締結した5年契約が、クラブからの期待を表している。スター選手とのトレーニングから多くを学び、順調なステップアップを継続している。レベルが格段に上がるU-23へは昇格したばかりではあるが、新たな挑戦にも前向きに取り組み、少ないボールタッチで、素早い選択が求められるカテゴリーにおいても、自分の強みを発揮している。
確かに、改善すべきところは山ほどある。フィジカル面の向上も必須。それでも、カーティス・ジョーンズから続くポテンシャルの高いアカデミー出身選手の中でも、最近見なくなった古き良きイングランドフットボールの要素を備えつつも、現代的なフットボールにも適応している未来のイングランド代表の成長から、チアゴのプレー同様に、目が離せない。