ポルトガルリーグで11位のCDトンデラを率いるパコ・アジェスタラン監督。かつてはアンフィールドでラフェエル・ベニテス監督のアシスタントコーチを務め、ベニテスとともにチャンピオンズリーグ決勝へ2度導く。就任初年度には、『イスタンブールの奇跡』を演じたリバプールをベンチから支え続けた。2007年にアンフィールドを去った同コーチは監督として、バレンシアを始め数多くのクラブを歴任している。
現在はポルトガルで指揮を執るパコ・アジェスタランだが、母国クラブのレアル・マドリードと古巣でもあるリバプールとのチャンピオンズリーグ決戦に言及。エスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウで3対1でリードしており、ファンがアンフィールドに入場できない現実を踏まえ、レアル・マドリード優勢との見解を示している。
「レアル・マドリードは、観客のいないアンフィールドで多くの恩恵を受ける。」
「かつてユベントスとの準々決勝やチェルシーとの準決勝で体験したスタジアムの雰囲気は、まさに特別だった。ほんとにチームを後押ししてくれる。」
「アンフィールドでの試合は簡単ではない。でも、レアル・マドリードはあのような雰囲気にも対抗できるだけのトッププレーヤーを有している。」
「(1stレグの勝利で)彼らはポジティブな勢いを持っている。中盤にはカゼミロやトニ・クロース、ルカ・モドリッチらがおり、高いレベルを期待できる。」
「リバプールは反対に、1年を通して多く悩まされている。負傷で欠場している選手たちがいないことを考えると、(逆転には)大きな疑いを持たざるを得ない。」
同じくスペインを本拠地とするバルセロナ相手に、アンフィールドで見せた4得点での逆転劇は記憶に新しい。過去にもギリギリで突破を決めた経験があるリバプールだけに、2ゴールのリードだけでは、まだまだ安心しきれないのが、レアル・マドリードからすると本音だろう。
しかし、アジェスタラン監督の指摘通り、ファンの入場が許されずに無人のアンフィールドで普段とは異なる雰囲気と中心選手の負傷離脱は、大きな戦力ダウンと言わざるを得ない。圧倒的なリーダーシップも失っており、ナサニエル・フィリップスとオザン・カバクもトップ選手相手には実力不足感は否めない。
後押ししてくれるサポーターの存在が、逆転劇を生む要因となっていたが、現在はそれがない。自らの実力で2得点を奪い、次のラウンドへと突破を図りたい。レアル・マドリード優位は変わりないものの、土壇場からのドラマを演じられるクラブだけに、バルセロナ戦以来の奇跡を目撃したい…