絶対的な守護神アリソン・ベッカーに加え、アイルランド出身GKクィービーン・ケレハーがバックアップとして控える。第3GKには経験豊富なアドリアンも控えており、盤石なゴールキーパー陣が整っている。しかし、22歳とこれからキャリアの絶頂を迎えるGKケレハーが出場機会を求めて移籍を志願する可能性がり、スペイン人GKアドリアンとは今年6月末で契約満了。
ローン移籍中のドイツ人GKロリス・カリウスは後遺症から立ち直れず、クラブ首脳陣の評価はいまだ覆っておらず、今季終了後の放出は避けられない。こうした状況からか…昨年からトラブゾンスポルGKウグルカン・チャクル獲得の噂が継続的に出ている。今季は33試合に出場しており、12回クリーンシートを達成している。
『Fotospor』の報道によれば、トルコ代表でキャプテン経験もあるGKに対して、同じくプレミアリーグに所属するトッテナム・ホットスパーとアストン・ビラが触手を伸ばしている。移籍金は1700万ポンド(約23.8億円)と言われており、経験値や年齢を考えると安価での獲得が可能である。
プレミア勢の他にも、ASローマやナポリ、アタランタ、ドルトムント、RBライプツィヒ、リール、PSVなど欧州の強豪クラブがこぞって興味を示しており、獲得レースは日に日に激しさを増している。リバプールからの興味は少し薄まっている印象を受けるが、トッテナムにとっては打ってつけの人材だろう。
昨年夏にアストン・ビラはアーセナルからアルゼンチン人GKエミリアーノ・マルティネスを獲得しており、守護神として安定的なパフォーマンスを披露しているため、同年代のGK獲得に動く可能性は低い。ベテランGKトム・ヒートンが控えを務めており、喫緊の必要性には迫られていない。
一方、トッテナムは正GKウーゴ・ロリスが今年で35歳になる。フランス代表でも守護神を務める経験豊富なゴールキーパーだが、衰えは隠しきれない。急激なパフォーマンス低下が起きても不思議ではない年齢に差し掛かっているものの、控えGKジョー・ハートとのレベルの差は明らか。ロリスとポジション争いを繰り広げられる選手は喉から手が出るほど欲しているはず。
ジョゼ・モウリーニョ監督が成績不振から解任されたばかりであり、来季の人事は不透明のまま。次期監督の補強プランによりけりだが、ポテンシャル豊かなゴールキーパーを比較的安価で獲得できるチャンスだけに、ダニエル・レヴィ会長が興味を持っている可能性は十分にあり得る。
移籍が実現されれば、ライバルチームに優秀なゴールキーパーが加わることになる。現時点でフランス代表GKと同等の能力ではないが、1年間イングランドで経験を積めれば、がらりと評価が変わるかもしれない。再来年には、トッテナムのゴールマウスを守っている可能性すらある。
リバプールはGKクィービーン・ケレハーとの契約延長を急ぎたい。2022年6月で契約切れとなる現行契約を伸ばしつつ、今後数年間は安心できる陣容を整えたい。第3GKアドリアンとの契約延長もあり得ない話ではなく、仮に放出となった場合も別のGKを連れてこないといけない。同時にアカデミーで成長を続けるマルセロ・ピタルーガら若手GKにも期待したい…