ディオゴ・ジョッタの加入により盤石かに見えたリバプール攻撃陣。ポルトガル代表が期待通り得点を量産している一方で、サディオ・マネやロベルト・フィルミーノが大ブレーキ。チャンス数に比べて、ゴール数が物足りない。エースのモハメド・サラーは順調に得点を重ねているが、いずれもアラサーを迎えるフロントスリーの世代交代が求められている。
バックアップ陣も物足りなさが目立つ。今冬にサウサンプトンへとローン移籍した日本代表・南野拓実はプレミアリーグ初ゴールまで1年近くかかり、攻撃面では評価を得られていない。ディボク・オリギやシェルダン・シャキリらも復調の気配こそ見せたが、その後は低調なパフォーマンスに終始。今夏での放出が濃厚であり、レンタル先のブラックバーンで大活躍を続けるハーヴェイ・エリオットが戻るにしても、前線の枚数を確保したい。
セビージャFWルーカス・オカンポスやフィオレンティーナFWドゥシャン・ヴラホヴィッチなど様々なフォワーフとの関係が報じられており、昨年から動向を追っているワトフォードFWイスマイラ・サールが獲得リストの上位に名前が挙がっているのは周知の事実であるが、ノリッジに続き来シーズンのプレミアリーグ復帰が近づくチームにおいて、移籍は考えにくい。
『Football Insider』によると、リバプールは新たな獲得候補として、スパルタ・プラハ所属しているチェコ代表FWアダム・フロジェクに注目している。スパルタ・プラハのアカデミーで成長してきた同選手は、今シーズン13試合5ゴール7アシストとまずまずの結果を残している。キャリア全体では78試合に出場しており、年齢を鑑みると十分な経験値を持っている。
長身に見合わず、繊細で細かなタッチでボールを保持し、向かってくる相手にはドリブルでかわす技術を有する。数字からもゴールとアシスト両面で活躍が見込め、周りを活かすプレースタイルも持つ。ゴリゴリのストライカーといった印象はなく、ロベルト・フィルミーノに近しいプレーで、攻撃にリズムをもたらせる。
プレミアリーグというトップリーグで、実力を発揮できるかは未知数。それでも18歳で溢れるポテンシャルを有しており、即戦力としての期待ではなく、世代交代に向けた将来への投資と考えるべき。幸いにもフロントスリーは依然として健在であり、今後数年間は高いレベルを維持してくれるはず。その期間中に新たな前線3枚の一角に成長してくれれば御の字。
すでにチェコ代表への招集経験を持っており、国内でも期待の逸材として評価を高めている。近年続く若手への投資戦略の一部として、移籍金が高騰する前に、リバプールへと加えたい心算だろう…