マンチェスター・シティが圧倒的な強さで昨年の準優勝クラブであるパリ・サンジェルマンFCを破った一方、チェルシーが準々決勝でリバプールを下したレアル・マドリード相手に抜群の守備力と効果的な攻撃で勝利を手に入れた。結果、今シーズンのチャンピオンズリーグ決勝戦はプレミアリーグ勢での対戦となった。
ヨーロッパリーグでもプレミア勢が躍進を遂げ、マンチェスター・ユナイテッドとアーセナルに決勝進出の可能性が残っていた。レッド・デビルズはASローマ相手にホーム戦で4点差を付けていたこともあり、アウェイ戦で敗れたものの、合計スコア8対5でファイナル進出。他方、ガナーズはビジャレアルに勝ちきれず、準決勝での敗退が決まった。
プレミアリーグで4位争いを繰り広げるチェルシー、ウェストハム、リバプール、トッテナム、エバートンにとって、アーセナルがヨーロッパリーグ優勝という最悪のシナリオを避けられた形になり、クラブ関係者は安堵しているだろう。チャンピオンズリーグならびにヨーロッパリーグ優勝チームには来季のチャンピオンズリーグ出場権が与えられる。
チャンピオンズリーグは同国対決であり、マンチェスター・シティかチェルシーがリーグ戦での順位関係なく出場権を手にする。マンチェスター・ユナイテッドも優勝を成し遂げれば、プレミアリーグにもうひと枠追加されることになる。ただしUEFAルールによれば、同一リーグからチャンピオンズリーグに参加できるクラブの上限が5チームと制限されており、ヨーロッパリーグと新たに始まるUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ含めて、合計で最大7チームまでしか参加が許されない。
マンチェスター勢はすでにトップ4フィニッシュを手中に収めており、影響されるのはチェルシーのみ。仮にチェルシーがリーグ戦で5位となり、チャンピオンズリーグ優勝を果たした場合、ヨーロッパリーグから1枠減らされ、チャンピオンズリーグにプレミアクラブが5チーム参加することになる。
プレミアリーグ順位での各大会への参加は、以下の通り規定されている。
リーグ1位 〜 4位：チャンピオンズリーグ
リーグ5位 + FAカップ優勝チーム：ヨーロッパリーグ
カラバオカップ優勝チーム：ヨーロッパカンファレンスリーグ
プレミアリーグ優勝が目前に迫っているマンチェスター・シティがカラバオカップを制覇しており、現状ではリーグ6位がヨーロッパカンファレンスリーグへの参加権を得る。ともに4位以内確保に向けて優位な状況に立っているチェルシーとレスター・シティがFAカップで雌雄を決するため、リーグ6位がヨーロッパリーグに鞍替えとなり、リーグ7位が新設のヨーロッパカンファレンスリーグへ出場になりそうだ。
リバプールにとっては、従来通りプレミアリーグで4位以内を狙うほかない。現在は7位で、4位まで勝ち点差『7』。マンチェスター・ユナイテッドサポーターの暴動で伝統の一戦が延長になったため1試合少ない。希望的な観測で勝ち点差は『4』まで縮まる。残り4試合で盛り返すためには、連勝は必須条件であり、4位を争うチームの好調さを考えると残り試合をすべて勝たなければいけない。
とはいえ、リーグ戦で6位以内が現実的なターゲットになる。来シーズンのヨーロッパリーグへの出場権を是が非でも死守し、呪われたシーズンからの再興が待ち焦がれる。最低でもヨーロッパカンファレンスリーグは必ず出場しなければならず、間違ってもヨーロッパ大会へ出られない事態は招いてはいけない…