アルネ・スロット監督によって、慣れ親しんだ左ウイングに固定されると、自慢の得点力を見せ付けているオランダ代表FWコーディ・ガクポ。カットインからのシュートやクロスは魅力的で、モハメド・サラーのアシストに合わせるシーズンも多い。
ただし、有名な話だが、アンフィールドでプレーしていない世界線もあった。2023年の冬にリバプールに移籍する前、マンチェスター・ユナイテッドが当時PSVアイントホーフェンに所属していた同選手の獲得に迫っており、ほぼ内定かに思われた。
ところが、ユナイテッド加入は頓挫。オランダを後にする意思を固めていた中での急転直下にも、優れたパフォーマンスを続けることで、その半年後には同じくイングランドの名門クラブに移籍を果たしたが、25歳の左ウィンガーは当時の経緯を説明した。
「2022年の夏、僕はほぼ退団するつもりだったし、マンチェスター・ユナイテッドに行くところだった。」
「でも結局、ユナイテッドは僕を必要としてくれなかった。いろいろあってね。」
「ここ(PSVアイントホーフェン)に残るか、他の2つのクラブに行くか。」
「それから僕はただ祈り、ゴールを決めることでその答えを見つけたんだ。」
「もしハットトリックを決めたら残留すべきだし、キャリア初のハットトリックだったから、明確な答えは得られなかった。」
「それに加えて、両親の存在も僕を導いてくれる。僕の人生における2つの指針なんだ。」
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ユルゲン・クロップ政権では、センターフォワードや攻撃的ミッドフィルダーなど様々なポジションで起用された。今シーズンとは異なる形でチームに貢献していたが、はやり自らのドリブル突破で局面を打開し、シュートを狙う強みを活かせる現在の方が生き生きしている印象を受ける。
アンフィールドでこそエジプシャン・キングに次ぐ得点源となっているが、オールド・トラッフォードで同様の活躍ができていたかは誰にもわからない。低迷し続けており、加入を希望したであろうエリック・テン・ハフ監督もチームを去った。
結果的にはマージーサイドに移ったことが正解となったが、ガクポは今後も得点を挙げ続け、来シーズン以降もゴールやアシスト面でチームを上位に導けるだろうか…?