2015年にヴォルフスブルクから加入して以来、ケヴィン・デ・ブライネはペップ・グアルディオラ体制の象徴として、シティの黄金時代を支えてきた。クラブ通算400試合以上に出場し、108ゴール177アシストという驚異的な記録を樹立。創造性と視野の広さ、そしてゲームを支配する力は、世界最高のプレイメーカーと称されるにふさわしいものだった。
33歳のベルギー代表の攻撃的ミッドフィルダーはシティとの契約が今シーズンまでと交渉の進捗に注目が集まってきたが、今季限りでの退団を発表。プレミアリーグの歴史にも名を刻んだ同選手を巡って、”まさかの” ニュースが飛び込んできた。
イタリアの信頼できる移籍情報のスペシャリスト、ジャンルカ・ディ・マルツィオ氏によると、長年マンチェスター・シティの中心選手として君臨してきたデ・ブライネに対し、なんとリバプールが正式オファーを提示したようだ。英国内のみならず、欧州中を巻き込む“超異例”のビッグディールが現実味を帯びてきている。
同氏はベルギー代表MFはヨーロッパに留まる意向を持っており、複数クラブの関心がある中でも、リバプールのアプローチが現実的な選択肢のひとつとして浮上している模様。プレミアリーグ屈指のライバルである両クラブ間での “禁断の移籍” となれば、まさにフットボール史に残る一大事件となるだろう。
トレント・アレクサンダー=アーノルドがレアル・マドリードにフリーで移籍することが確定したいま、その創造性を補う存在として、デ・ブライネは理想的なピースといえる。33歳という年齢にもかかわらず、プレミアリーグでのパフォーマンスに陰りは見えず、フットボールIQの高さで中盤を掌握できるタレントだ。
同選手の祖父が熱心なリバプールファンであり、デ・ブライネ自身も幼少期にリバプールを応援。当時11歳だった彼は、”一番好きなクラブはリバプールで、一番好きな選手はマイケル・オーウェン” と話しており、子供の頃の夢を叶えるかもしれない。
ただし、狙うのはリバプールだけではない。イタリアの名門ナポリも強い関心を示しており、ベルギー代表で同僚のロメル・ルカクが説得役を担う可能性が報じられている。
さらに、プレミアリーグのアストン・ヴィラもデ・ブライネ獲得を検討。アメリカ・メジャーリーグサッカーのシカゴ・ファイアは財政的な魅力を武器に交渉を進めており、家族と共にアメリカで過ごす生活は、魅力的な選択肢のひとつとなっているようだ。
年齢を重ねて、コンディションを崩す時期も増え、レギュラーでプレーするのは難しいかもしれない。とはいえ、途中交代から試合の流れを変える役割を担える選手であり、過密日程を乗り切るために重要なチームプレーヤーになり得る。
はたしてシティの象徴とも言える存在が、レッズの赤いユニフォームに袖を通すのだろうか…?
