スピードとドリブルを武器に、数々のビッグクラブで結果を残してきたフランス代表ウインガー、キングスレー・コマン。28歳にしてすでに欧州トップレベルで長年活躍してきた同選手だが、ここにきてバイエルン・ミュンヘンでの立ち位置が微妙になってきている。
クリスチャン・フォルク氏（ドイツ人ジャーナリスト）によると、コマンの代理人はすでにプレミアリーグの複数クラブに接触を開始。中東からの高額オファーも存在するが、本人は欧州トップレベルでのプレー継続を強く望んでいるという。
プレミアリーグの中でも、特に注目されているのがリバプールとマンチェスター・ユナイテッドだ。すでにニューカッスルやトッテナムも関心を示しているものの、コマン陣営が狙うのは “ビッグ6” の中でも頂点を狙えるクラブ。
リバプールは、 ディオゴ・ジョッタの怪我の多さや新戦力フェデリコ・キエーザの不振が続いており、攻撃陣の層を厚くする余地はある。ルイス・ディアスにもバルセロナやPSG移籍の噂が持ち上がっており、彼らの去就次第ではウィンガーも補強対象になり得る。
一方、マンチェスター・ユナイテッドは、それぞれレンタル先で輝くマーカス・ラッシュフォードやアントニーらの去就が不透明。アレハンドロ・ガルナチョやアマド・ディアロら期待の若き攻撃陣を擁するも戦力層は薄く、ウィンガー補強の必要性はリバプール以上に高い。
フランス代表のアタッカーは戦術理解度の高さやポジションの柔軟性も評価されており、試合中にウイングから中央に絞るプレーや、逆にタッチライン沿いに張るプレーなど、様々な局面に対応可能。こうした特性は、どの監督にとっても戦術の幅を広げる重要なピースになるはず。
一部ではピークは過ぎたと見方もあるが、それでもトップクラブのスカッドプレイヤーとしての価値は依然として高い。出場時間を限定された中でも違いを生み出せる選手であることは、過去のビッグマッチで証明済みだ。
現時点で正式オファーは届いていないものの、代理人が各クラブのドアをノックしている状態であることは確かだ。しかし、リバプールが28歳の選手に触手を伸ばすとは思えず、バイエルン・ミュンヘンから獲得するくらいならば、コロンビア代表ウィンガーとの契約延長に全力を尽くすだろう。
確率だけで言えば、リバプール移籍が実現する未来は想像できない。ただし、ユナイテッドや他のプレミアリーグのクラブであれば十分に獲得を試みる可能性はあるだけに、ブンデスリーガを離れ、イングランドで新たなチャレンジに励むことになるのだろうか…？