プレミアリーグの名門リバプールが、今夏の移籍市場でセンターフォワードを確保を最優先に取れ得ており、アルネ・スロット監督とともに、スポーティング・ディレクターのリチャード・ヒューズらは積極的に動きまくっている。
ニューカッスル・ユナイテッドのスウェーデン代表FWアレクサンデル・イサクやアイントラハト・フランクフルトFWヒューゴ・エキチケ、RBライプツィヒのスロベニア代表FWベンヤミン・シェシュコら大柄なストライカーがターゲットとして報じられてきたが、新たな選手の名前が急浮上した。
ドイツ紙『BILD』によれば、プレミアリーグのビッグ6のうち、リバプールを含む5クラブがボルシア・ドルトムントに所属するギニア代表FWセール・ギラシに関心を寄せているようだ。リバプール以外には、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、そしてチェルシーが名乗りを上げており、熾烈な争奪戦は避けられない様相を呈している。
ギラシの契約には6000万ポンドのリリース条項が盛り込まれている。この買い取り額が、獲得をより現実的なものにしている。市場での相場を考えれば、他に移籍が取り沙汰されているギョケレシュやオシムヘン、イサクらと比べてリーズナブルで、費用対効果の面でも魅力的だ。
現在29歳のセール・ギラシは、2024年夏にVfBシュトゥットガルトからボルシア・ドルトムントへ移籍。加入初年度ながら、公式戦44試合で33ゴール9アシストという驚異的なスタッツを叩き出し、その得点関与ペースは88.5分に1回。
これはリバプールのモハメド・サラー(77分に1回)にも迫る数字で、まさにゴールマシンの名にふさわしい。特にブンデスリーガでは、ハリー・ケインに次ぐ20得点を記録。さらにチャンピオンズリーグでは、バルセロナのハフィーニャと並び13ゴールを挙げ、アフリカ人選手として大会史上最多得点という快挙も達成した。
ギラシの魅力は、数字だけにとどまらない。パワーとスピードを兼ね備えたプレースタイルに加え、ペナルティボックス内でのポジショニングや冷静なフィニッシュも一級品だ。特にCLでのゴール変換率は37.5%と高水準で、シュートを2本以上放った選手の中では、インテルのラウタロ・マルティネスに次ぐ2位にランクインしている。
同選手を巡る争奪戦はイングランド国内だけに留まらない。スペインのレアル・マドリードやバルセロナ、そしてフランスのパリ・サンジェルマンもギラシに関心を示しており、6000万ポンドのリリース条項が交渉不要であることが、さらなる競争を呼んでいる。
リバプールではダルウィン・ヌニェスが退団濃厚。ディオゴ・ジョッタやルイス・ディアス、フェデリコ・キエーザらにも退団の可能性が浮上しており、オランダ人指揮官が攻撃陣の刷新に着手するかもしれない。
ただし、29歳という年齢はリバプールの補強方針とはほど遠い。日本代表MF遠藤航や元スペイン代表MFチアゴ・アルカンタラなど30歳前後でアンフィールドにやってきた選手もいるが、いずれも移籍金はかなり安価に抑えられていた。
6000万ポンドもの大金をポンと出すようなクラブではないことを考えると、リバプールは争奪戦から早々に撤退しているだろうが、はたして…?
