リバプールの背番号9を巡る騒動が、いよいよ本格化してきた。2022年夏に鳴り物入りで加入したウルグアイ代表FWダルウィン・ヌニェスに対し、セリエAのナポリが獲得に動いており、本人も移籍に前向きな姿勢を見せていると報じられている。
しかし、リバプールが要求する移籍金は簡単に合意できる水準ではない。イタリアメディア『Sky Sport Italy』によると、レッズは最低でも6500万ユーロを現金で要求し、さらに最大500万ユーロのボーナスを条件に加えているそうだ。クラブは3年前にヌニェスをベンフィカから6400万ポンドで獲得しており、その投資の回収を見据えた価格設定を崩す様子はない。
ナポリ側は、ヴィクター・オシムヘンの今夏での退団を想定し、代役としてヌニェスに白羽の矢を立てている。本人もすでにナポリ側のオファーに口頭で合意しているとされ、交渉は選手サイドではなく、クラブ間の条件面に焦点が移っている状況だ。
とはいえ、ナポリにとって7000万ユーロという金額は現実的とは言い難く、交渉の行方は不透明なままだ。
ヌニェスの去就が複雑化する中、アトレティコ・マドリードも獲得に本腰を入れていると報じられている。スペイン紙『AS』や『Mundo Deportivo』によれば、ディエゴ・シメオネ率いるクラブはナポリとの競争に加わり、すでに選手本人と条件面で基本合意に至っている可能性が高いという。
さらに、サウジアラビアの複数クラブも関心を示しているとされ、交渉の選択肢は一層広がっている。ただし、いずれのクラブもリバプールが掲げる高額な移籍金に難色を示しており、実際のオファーには至っていない。
こうした中、ナポリはウディネーゼのロレンツォ・ルッカにも目を向けており、ヌニェス獲得が失敗に終わった場合のプランBとして水面下で交渉を進めている模様だ。
一方で、リバプールはヌニェスの去就とは別に、すでに今夏の補強に動いている。ドイツの強豪バイエル・レバークーゼンからは、ジェレミー・フリンポンを3500万ユーロで獲得。さらに、フロリアン・ヴィルツやミロシュ・ケルケズも加入間近だ。
仮にヌニェスが退団となれば、クラブは新たなストライカーの補強を余儀なくされる。ニューカッスル・ユナイテッドのアレクサンデル・イサクがその最有力候補と目されるが、法外な移籍金を要求される見通し。アイントラハト・フランクフルトに所属するウーゴ・エキティケも1億ユーロの値札が付けられており、獲得は容易ではない。
大幅な戦力再構築に着手しているリバプール。ヌニェスの去就が確定すれば、次なるターゲットへの本格的なアプローチが始まるが、はたしてどのような結末を迎えるのだろうか…?
