プレミアリーグの夏の移籍市場が活気を帯びるなか、ニューカッスル・ユナイテッドに所属するウィンガー、アンソニー・ゴードンの去就が注目を集めている。英『TBR Football』のグラハム・ベイリー氏によれば、アーセナルやチェルシーといった強豪クラブが関心を寄せる中で、本人はリバプールへの移籍を強く望んでいるという。
少年時代からのリバプールファンとして知られるゴードンにとって、アンフィールドでのプレーは夢であり、その思いは今も変わっていない。ニューカッスルは放出に消極的とされるが、本人の意思が交渉の行方に影響を与える可能性も否定できない。
2023年1月にエバートンからニューカッスルへ加入したゴードンは、指揮官エディ・ハウのもとで急成長を遂げた。プレミアリーグでの豊富な出場機会を通じて、攻撃面での貢献度は目を見張る。
2023-24シーズンには公式戦28得点関与を記録。スピードと突破力を兼ね備え、1対1での強さ、プレスへの意識、守備での献身性など、総合力の高さが際立つ。昨夏にはイングランド代表として欧州選手権にも出場し、決勝進出の立役者の一人となった。
ただ、長い国際大会によるオフの短さから、シーズン後半にはコンディション面で苦しむ場面も見られた。それでもニューカッスルをプレミアリーグ5位に導き、チャンピオンズリーグ出場権の確保に大きく貢献している。
リバプールにとって、ゴードンの獲得は左ウィングの選手層に厚みを持たせる意味でも魅力的な補強だ。現状、ルイス・ディアスの去就は不透明であり、フェデリコ・キエーザも本領を発揮できずにいる。
その一方で、リバプールが今すぐ左ウイングの補強を急いでいるわけではない。ベイリー氏によると、ガクポやディアスの退団が前提となる可能性があり、状況次第では今夏の獲得は見送られる可能性が高い。
アーセナルやチェルシーも獲得レースに加わっており、移籍金は7500万ポンドに達するともされる。特にチェルシーはムドリクの長期離脱、サンチョ獲得見送りなどにより、サイドの補強が急務。アーセナルも左ウイングのアップグレードを検討しており、ゴードンをリストアップしている。
とはいえ、ニューカッスルにとってゴードンは放出候補には含まれておらず、財政的にも売却を急ぐ必要はない。昨夏もリバプール加入が取り沙汰されたが、最終的には残留し、チャンピオンズリーグ出場権獲得に貢献している。
リバプールでプレーするという少年時代からの夢は、今も彼の胸の中で燃え続けている。ベイリー氏も「いつか彼はリバプールにたどり着くだろう」と語っており、その未来が今夏か、それとも先の話になるのか、多くのファンが注目する…