フランス・リーグアンの名門リヨンに所属するベルギー代表FWマリック・フォファナ。20歳という若さながら、その躍動感あふれるプレーが今夏の移籍市場で大きな注目を集めている。
昨季は公式戦41試合に出場し11ゴールをマーク。ポジションは主にウィンガーながら、前線のあらゆるエリアで高いクオリティを発揮する万能型アタッカーだ。近代サッカーの要求に完璧に適応しつつあり、欧州のトップクラブからの関心は日増しに高まっている。
英『The Independent』によると、リヨンはフォファナに対して6000万ユーロという強気の要求額を設定。これは最低ラインに過ぎず、複数クラブの参戦によって価格がさらに吊り上がる可能性も指摘されている。
フォファナの移籍が現実味を帯びてきた背景には、リヨンの厳しい財政事情がある。クラブは現在深刻な赤字を抱えており、選手の売却による資金確保が急務となっている状況。さらに、リーグ・アンからの降格処分も重なり、ヨーロッパコンペティション出場権の喪失というリスクも抱えている。
このような状況下、リヨンはフォファナの売却益を最大限に引き出すため、いわばオークション形式で移籍交渉を進める姿勢を見せている。現時点で具体的なオファーが提示されたという情報はないものの、水面下では各クラブがタイミングを見計らって動いているとみられる。
フォファナの獲得に関心を示しているクラブは枚挙にいとまがない。イングランドからはアーセナル、チェルシー、リバプールが関心を寄せており、中堅クラブではフラムやノッティンガム・フォレストも動向を注視している。
他にもドイツのバイエルン・ミュンヘンやRBライプツィヒ、さらにはセリエA王者ナポリも争奪戦に参戦する可能性があるとも。一方、リヨンはフォファナの価値を最大限に高めるため、簡単には交渉に応じない構えを示す。
リバプールにとっては、左ウィンガーは現時点で優先度の高い補強ポジションではない。コーディ・ガクポやルイス・ディアス、フェデリコ・キエーザらが在籍しており、むしろ過剰戦力とも言える。
ただし、コロンビア代表ウィンガーに対してはバルセロナやバイエルン・ミュンヘンが接触。リバプールがその動きを拒んでいるが、サウジアラビアからビッグオファーが届く可能性を残している。
イタリア代表復帰を狙う元ユベントスのウィンガーは、初めてのイングランド挑戦は失敗に終わった。コンディションが整わなかった不運もあるが、プレミアリーグの強度に苦戦している印象も強く、選手本人はイタリア復帰を希望しているとも報じられている。
万が一にも2人のウィンガーが流出となれば、リバプールは補強せざるを得ない。そして、そのターゲットとして、フォファナが浮上している。とはいえ、 リヨンの要求額は法外すぎるため、今の値段設定ではアンフィールド行きは現実味のない選択肢だ。
はたして、将来有望だが、まだまだ実績の少ないベルギー代表ウィンガーに対して、6000万ユーロ以上を支払い、獲得に乗り出すチームは現れるのだろうか…？